なかなか楽しめた菊花賞だった。

馬券的には、最後に、軸にした穴馬リビアングラスが

3着に粘るところをソールオリエンスに交わされてしまい、

天を仰いで頭を掻きむしった。

(将棋王座戦の永瀬軍曹の気持ちが分かった)。

 

バテバテになるまで力を振り絞っていたようだったし、仕方がない。

(軽く万馬券だったのに…。単勝がなくなり、3連単が崩れ、

3連複までぶっ飛んでしまう直線だった。とほ)

 

レース的にはちょっと見れない希少物件だった。

1角手前、大外のルメールがハナを奪う勢いで上って行った。

アレッ、懸かったかなと思ったら、

ラチ沿いの3番手に位置を見つけると済ました顔で折り合っている。

大外の不利をラチ沿いの経済コースにワープ転換した。

しかも前後が空いた特等席!

あれはルメールの馬だからできる奇襲戦法だった。

 

皐月賞馬、ダービー馬、神戸新聞杯上位馬たちにはできない。

ローカルで3勝目を勝っただけの気楽な立場だから可能だった。

その後は下馬評通りのスロー展開。

上がり35.0秒を切れるかどうかが勝負の分かれ目になったのだから

ルメールの位置取り作戦は、まさに早起きは三文の得であった。

頭脳の勝利。

 

騎手の腕を考えさせるレースだった。

騎手の腕といえば、京都2Rの武豊にも驚かされた。

この日が未勝利5戦目のヒルノドゴール。

前走1.26.2と勝ちに等しい好時計を上げながら惜しい2着だった。

北出調教師は鞍上を武豊に変えた。渾身の必勝祈願である。

ここで勝たないと以後の未勝利戦は泥沼化しかねない。

 

わしは、一流騎手が乗ると走破タイムは何秒縮まるものか、と

レースを見ていた。

デビュー以来の亀田と乗り替りの武豊で良いサンプルになる。

結果は、1.25.7。あれまぁ~。

ダ1400mで0.5秒も縮めてしまった。

騎手によってこんなに差が出るものなのか!

2勝目も楽にチャンスありの好時計ではないか。

 

レース映像を見直すとよく分かるが、なるほど上手い、のひと言。

まったく無理がない。馬は素直に武に従っている。

亀田は技術向上の絶好の研究材料を手に入れた。

プロ同士だから見えるものがいろいろあると思うよ。

 

可哀そうなのは単勝1.5倍の断然人気で2着だった松山。

彼も、1.26.1→1.26.0としているのだが、25秒台まで行けなかった。

人気騎手だが、この辺が超一流ではない負の証明。

 

このレース、1点買いにできる銀行レースとして昨日紹介したが、

朝7時の馬連オッズは3.0倍。

まぁまぁかなと思っていた。

ところがレース前に見ると、2.5倍。下がっちゃったなぁ。

さらにレース後、配当が出ると、2.0倍。あれれ。

馬連なのである。なんだコレ。

 

朝の2Rから馬券を買っている人たちは辛いなぁと痛感した。