東京12R は4歳以上2勝クラス・芝1800m。

条件的には馬の数はたくさんいるカテゴリーのはずなのに、出走頭数は9頭。

その理由は、明らかに強い奴がいて勝てそうにないから相手が逃げてしまった…、

そういうときに起こる現象だ。

 

その馬はルナシオン。藤沢和厩舎の良血牝馬だ。

ところがパドックは良くなかった。首を左右に動かしてキョロキョロしている。

+26kgは、明らかに太目。8ヶ月休養明けで馬はレースを忘れているように見えた。

 

といって、他の馬もひどい。

フォワードアゲンは-10kg。前走426kgの小柄な馬が真冬にそれはないだろう。

逆にミトロジーは+12kg。こちらは484kgから加算で、太目に見える。

7歳馬2頭は実力に差があり過ぎ。

 

そう考えると、5歳馬で順調に調教もこなしたルイジアナママだけがまともに見えた。

絶好のチャンス!

落ちている金を拾うようなもの。

そう思ったのはわしだけではなかったと思う。

単勝5.7倍が見る見る下がって3,7倍になった。

反対にルナシオンは1.5倍から1.8倍に上がっていた。

 

スタートでルナシオンは出遅れた。

やっぱりレースが分かっていない。

最後方のルメールを見て、馬券は取ったなとわしは思った。

他の誰もがそう思った、と思う。

 

4コーナーで突然ルイジアナママがヨレて、戸崎が手綱を引いた。

故障だった。

昔の記憶が蘇る。

あのときもファンの欲が重なり過ぎて、馬への負担になってしまった。

鞍上は武豊だった。

府中の三分三厘の呪い。

ルイジアナママには可哀想なことをした。