夢は毎日見る。

中学以来の友人の一人に、夢は全く見ないという奴がいて、

そいつの夜と朝はどうつながっているのだろうと

不思議に思ったことがある。

わしもごくたまに、4、5年に一度くらい、夢を見ない日がある。

12時ごろに寝て、目が覚めると朝なのである。

就眠と起床がぴったりと密着している。

明るい日差しが小窓から部屋に注ぎ込む。

その光景に戸惑うのだ。そういうとき、夢を見るわしには

夜間の7時間くらいが失われた感じがしているのだ。

日付に言い換えれば、4月4日の次が11日になっている。

カレンダーに5日から10日が、ない。

その間、わしはどこにいたのだろう? 恐ろしい。

まぁ、夢はわしの夜の証明というわけだ。

昨日の夢は初めての体験だった。

小学校まで記憶をさかのぼっても初めての夢。

わしは相撲取りなのだ。

黒いふんどしを締めて自分の取り組みが来るのを待っている。

地方巡業らしく、野外にいる。

数十人のふんどし姿の集団のなかだ。

みんな若い。序ノ口か序二段らしい。

わくわくした雰囲気の中でわしも笑顔だ。

列の前の方になって名前を呼ばれた。

女性が半紙に筆で順々に四股名を書いて渡している。

わしは「淀湊」だった。

それで、あーこれは夢だなと気がついた。

わしは逸ノ城ファンで彼は湊部屋だ。

部屋の力士は「湊」を付けた四股名が多い。

しかし、「淀」はなんだろう。わしの出身地で言えば

「隅田湊」じゃないのかなと思ったりする。

声がするので目を向けると、

内馬場で少年剣士の集団が稽古をしている。

内馬場? あれっと周りを見回すと、ここは競馬場の芝コースだ。

3コーナーの手前くらい。

まえの方の奴らが、わぁーっと走り出した。

困ったな、駆けっこは苦手なんだと思ったところで目を覚ました。

 

今週は検査の週だった。

火曜が腎臓で、今日は午後から心臓だ。

一週間に二日も検査があると時間はあっという間に通り過ぎる。

もう木曜日だから病院から戻れば

皐月賞の枠順が発表されているはずだ。

相撲取りになっている場合ではない。