西宮秀紀 『伊勢神宮と斎宮』 岩波新書
今日読み終わった本です。突然、堅っ苦しい本を読んでいるな、と思われるかもしれませんね。しかし、私はここ1年ほどは新書を買い込んでおり、一生懸命読破中です。
むしろ前回までのミステリー小説のほうがあまり読んでいない分野になるのです。物語を読んだのなんて、だいぶ久しぶりです。
今回の『伊勢神宮と斎宮』はどういったものになるかというと、古代史がメインジャンルです。その古代史の中で、伊勢神宮そして斎宮というシステム・機構がどうやって成立し、どのように機能していたのかを分析したものになります。
とは言っても、伊勢神宮自体はわかるけど、言いたいことがわからないという人が多いと思います。自分も國學院大學という神道系大学の出身であるので、興味がわいたという程度です。
國學院の授業で斎宮・斎王が出てきたことがあり、おもしろいなぁと思った記憶がありました。ですから、今回の斎宮というワードに惹かれて読み始めました。
ただ、古事記・日本書紀などの日本神話をあまり勉強していなかったことと、日本史講師にも関わらず古代史が苦手ということが相まって、なかなか理解に苦しみました。
そんな中でも要約すると、
①伊勢神宮は大和朝廷・大王の権威づけに寄与した。
②伊勢神宮という機構や宮司・祭主という職掌は伊勢国内の国司と権限や支配地域と交錯するものがあって、複雑化しており、混乱が生じやすかった。
③斎宮・斎王は天皇の意向に基づき設置され、祭祀による天皇・王朝の権威を象徴するものだった。
④伊勢神宮・斎宮は中央機構と類似したシステム・財政基盤で動いていた。
というところでしょうか。いかんせん知識がないせいできちんと読めているか不安で仕方ないので、間違っている部分があるかもしれません。この点は国語講師として精進ポイントですね。