ぎゃらりーきのくに特別展解説③ 原 勝四郎 | スタッフブログ

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原 勝四郎(1886-1964) 洋画家。和歌山県田辺市生まれ。東京美術学校予備科、白馬会研究所に通う。苦労して渡仏。帰国後、二科展、戦後は二紀展に出展。白浜町で暮らし、伸びやかで力強い筆致と鮮やかな色彩で、主に田辺、白浜地方の風景や家族、ばらを主とする静物を描き続けた。

この作品は、遠景に白浜の番所山北側の沖合にある塔島(とうしま)を描いている。

原勝四郎は、NHKの日曜美術館にも取り上げられており、清貧、孤高の画家で、特に地元、白浜、田辺では根強いファンが多い。昨年、和歌山県立近代美術館と、田辺市立美術館において大規模回顧展が開かれた。この作品が示すように、岩場と砂場が画面に広がり、水面が輝く美しい海岸風景を描いており、戦後の円熟期に描いた作品であると思われる。