第1話
太陽がジリジリ焼き付ける真夏の昼間。
何処からかセミの鳴き声が聞こえる。
とある住宅街。
一人の高校生ぐらいの少女が大きな虫網を持ち塀の上で構えている。
そうか、塀を越した庭に立っている木。あそこにいるであろうセミを捕まえたいのか。
いくら高校生ぐらいといえど、遊ぶのはまだ止められないのであろう。
恐らく小学生の頃そんなに夏を楽しめなかったのか。
と、大体の人は思うだろう。
しかし少女には全く違う目的があった。
「はぁ、はぁ」
すると道の向こうからこんなに暑い時なのに黒いフードをかぶり、スーツケースを持って走ってくる40代半ばぐらいの男性が走ってきた。
まるで、誰かから逃げるように。
それを見た少女は不敵な笑みを浮かべ、男性の後ろを見た。
そこには小柄な少女がピストルみたいなのを両手に持ち、男性を追いかけていた。
「ひ、ひいいい」
男性は後ろを向き怖がった顔で走り続ける。ついに少女の乗っている塀の上を通りすぎる―――ことは出来なかった。
「とうりゃあああああああああああああ!」
少女が塀から飛び降り、虫網を男性に降ろしたからだ。
少女は虫網を男性を捕まえたまま地面に押し付ける。
そこにピストルを持ち追いかけまわしていた少女がやってき、ピストルを網の中の男性に向け、携帯電話を取り出した。
「おいお前、動くと撃つぞ。・・・すいませーん。はい、僕です。捕まえました場所は―――」
少女は警察に電話を掛ける。
そしてセリフを練習していたようにさらさらと言い、携帯電話を閉じる。もう一人の網を持っている少女に向かって笑いかけた。
「今回も成功したな」
「うん」
網を持っている少女の名は、羽鳥風梨。小柄なピストルを持っている少女の名は、朝霧黒羽。二人とも高校二年だ。
しかし、ある探偵事務所で働いている。働いているというより、手伝っているの方が正しいか。朝霧黒羽の父は元警察、現探偵事務所を開いているのだ―――。
続く
どうでしたか?変ですがまぁ、見てくれると嬉しいです。