第3話


「そ、その・・・」

女性は極度の恥ずかしがり屋なのか、3人の探偵に対し、顔を真っ赤にして手も震えている。

「では、中に入ってゆっくりと話しましょうか」

気を利かせた風梨がスリッパを差し出す。しかし女性は首を振った。

「い、いえ、そのっ・・・えっと・・・・。・・・・」

女性は俯いてしまう。

風梨は黒羽にアイコンタクトを取ろうとし、黒羽の方を見て言葉につまる。

黒羽が路地裏で金を巻き上げるチンピラに見えたからだ。

彼女は怒ると誰彼構わずチンピラみたいになる。

ちなみに風梨は『チンピラ』を『きんぴら』と言い間違えた事が二回ある。

とりあえず黒羽は諦めて、隣の川山信達こと、警部を見る。

しかし、警部は風梨を元から見ていた。目が合う。

彼はうるうるした目で、自分のポケットを指さす。

そこには、クッキーの袋が少しのぞいていた。

「こんな時にクッキー食べたがんなや、こんのハゲっ!!!!!!!!!」

突然大きな声を出した風梨に、女性が飛び上がる。黒羽はまだチンピラのままだった。

警部は涙を流し、俯く。肩が小刻みに揺れている。

風梨はこんな時に突っ込んでしまった自分に後悔した。頭の中では、叫んだ最後の『ハゲ!!!!!!!!!』の部分がエコーしている。

その場にいる全員の時が止まっていた。

だが。

カランコロン。

「こんにちはー!二十代ぐらいの女性来てませんでしたかー?」

ドアが開き、三十代ぐらいの男性が声をと共に姿を現す。

とりあえず、沈黙は止まった。


続く