HG101: Otama Burner (After Burner on Otamatone) by Ryu Umemoto
この動画は2010年の暮れ、
梅本竜が絶好調で「
無敵モード」の真っただ中。
北欧の
Audun Sorlie氏を訪れた際の貴重な記録である。 私のライナーノーツの内容は、ちょうどこの頃にぴったり重なる。
オタマトーンで陽気にはしゃいでいる彼の姿を見ると、このわずか半年後に重い病をわずらって倒れるなど、全く信じられない。。。
【強烈なFM音源モジュレータのような男・梅本竜】 ~ 2/3 ~
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《 1/3 》はコチラ ***
彼から2度目の
メールが来た。
「制作が難しいなら自分の曲でベースを弾いてくれるだけでもいい。録音に参加してくれないか」と言う。うれしかった。これなら何とか役に立てるかもしれない。では早速打ち合わせをしましょう、ということになった。彼の
仕事場の方が
機材もあるし、こちらから伺いましょうか?と訊ねると「いや、私が国本さん宅に伺います」と言う。ウチは機材が全然なくて本当にベースが1本あるだけですよ、と言っても「それでいい」と言う。 妙なことを言う男だと思った。
梅本竜が「録音の
打ち合わせ」にやって来た。冬の休日。穏やかな晴天。お互い別々に昼食を済ませ、午後の早い時間帯から始めた。彼は驚くほど
饒舌だった。声のトーンは穏やかで、大げさな身振り手振りがあるわけではない。 しかし内に秘めた
テンションの高さが伝わってくる。 淡々と、あくまでも淡々と、だが途切れなく彼は一方的にしゃべり続けた。「
シャドーボクシング」「
禅」「
北欧」「
水だしコーヒー」「親戚のおじさんが
危篤だったのに自分が
お見舞いに行って
奇跡的に
回復した話」「食材としての
ミドリムシ」「
甲府大学」「
父親との
中国旅行」「
太宰府天満宮」…。 私は相づちを打つだけだ。おそらく言葉を発していた割合は
19:1くらいだったと思う。これほど
一方的な会話が長時間続いたのは初めての経験だった。
彼の中では全ての話が
1本の線につながっていたのだろう。しかし初めて聞く私には1つ1つの話が
飛躍しすぎていて全体像がさっぱり理解できなかった。 何か新しいことを始めようとしていることはわかる。しかし1つ1つのパーツが有機的につながらない。
そもそも彼は音楽の話をしにきたのではないのか?? 3時間、4時間、5時間…。彼の話は同じテンションでずっと続いた。しかしいつまでたっても本題である「録音の打ち合わせ」にならない。結局夕食の時刻を回ったので「今日はここまで」ということになった。家内が「夕食ご一緒にいかがですか?」と訊ねると「結構です。帰ります」と言う。 録音の打ち合わせが一切なく、「これでいいのかな?」とも思ったがそんな疑問よりも梅本竜の残していった「
気」のようなものが、彼が去った後も部屋の中にしばらく留まっていて「不思議な体験をした1日だったなあ…」と、ただぼんやりするのみだった。
後から考えるとこの梅本竜来訪エピソードが、自分にとって
2発目の
ボディーブローとなってじわじわ効いていたようだ。
(つづく…)
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