あつい。とにかく暑いしねむいしつらいし体がまったく動かなくてお昼すぎの用事をキャンセルした。お昼ごはんを食べるために冷蔵庫まで向かえなくて枕元に置いてある非常用inゼリーボックスからエネルギーって書いてあるやつを飲んだ。いまはエネルギーがないとやっていけないから。そのあとたぶん寝た。起きたら17時近かった。19時から下北沢でやるイベントに向かう予定だったのでゆっくり起き上がって呼吸ができることを確認しながら支度をした。なにか食べないと胃が痛くなる予感がしたがたとえば冷蔵庫に入っているものをあたためたりすることはいまのわたしにはむずかしそうだったのでinゼリーを飲んだ。ミネラルと鉄分のやつにした。靴下を探したら右と左が違う色のしかなくてそうした。



アシンメトリーというおしゃれな単語があってよかった


下北沢に向かう井の頭線で具合が悪くなってきて、ヘルプマークをつけて優先席に座った。ぐったりしているのはたぶん一時的なもので、食事をとれば治るのでじっとしていようと思っていたら隣にサッカー少年ふたりとそのお母さんが座った。少年は非常に元気で席で大暴れして、わたしにキックパンチ平手打ち腰にアタックなんでもきめてくる。普段だったらあら〜元気ね〜で済ませられるがマジで調子が悪かったので保護者の方に何か言おうと思ったが、もしかしてこの元気さというのがなんらかの障害であって優先席にすわっているのでは?と考えはじめたらわたしの具合悪さと少年の元気さがぶつかってしまっていてどうしようもない案件だなってなってしまって(いま考えれば言い方次第ではお声かけはしてもよかった気がするのだが具合が悪いと脳がそこまで働かなかった)、しばらくパンチキックを耐えていてパラッパラッパーの最初の敵かよって思いはじめた頃に急に静かになった。そうっと隣を見ると少年は眠っていた。元気からの眠るまでがはやすぎてさすが少年だ!!!!と感動していろんなことがどうでもよくなった。


下北沢のBONUS TRACKにつくといつもと様子が違う。たくさんのひとたちが外につくられた席でお酒を飲んでいる。なんだなんだ、と思って動揺してしまい、そうかわたしはいつも平日の変な時間にフヅクエにくることばかりだから、土日のBONUS TRACKのあり方をしらなかったのだ、と思ってとにかく飯の食えるところに入ろうとうろうろしていたらカレー屋らしきお店の店内が空いていて、「しめじの出汁カレー」とだけ書いてあった。じゃあしめじ本体は入っているのか???他の具材はなんなんだ???といろいろ気になることがありまくりだったけれど中に入った。中ですか、と聞かれてイートインのことだとわかるまで一瞬時間が必要だった(なにせお腹が空いていて頭が回っていない)けれど無事に座ってメニューを見ることができた。どうやらこのお店のカレーはスリランカカレーとインドカレーを合わせたような性質のもので、たくさんの副菜とメインのチキンカレー、そしてサイドにその日のカレー(きょうはしめじの出汁カレー)が一皿に盛られて出てきて、それを混ぜ合わせながら食べるというものであるようだった。

あっこれめっちゃ好きなタイプのカレーだなと思って、それを注文し、しばらく待つとめっちゃいろんなものの乗った皿が出てきた。

つまりミールスみたいに食べればいいのだろうと理解して、少しずつカレーに副菜やダルカレー・出汁カレーを混ぜ合わせていき、食べていくとこれがとてもうまい。どれかはわからないけれど甘みのある副菜がぐっと味を深くする。あと明らかに鮭フレークがある。鮭フレークの正体はココナッツとなんだかを混ぜたやつらしくそれが柔らかな甘味の元だったのかもしれない。茄子もうまい。このような調理の茄子を食べたことがない。ベースのチキンカレーはわりと辛い。けれどいろんなカレーを混ぜたり玉ねぎのピクルス的なものを混ぜたりすると辛さのなかに複雑さが生まれてとてもいい。最後にはぜんぶをかき混ぜて食べ終えた。

おいしかったです、というとあまり愛想のよくないのかなと思っていた店主がカレーの説明をしてくれて、わたしはこういう店で出す料理にこだわりがあって愛想とかでやってないタイプの店主が大好きなのでうんうんと話を聞いた。



うますぎ


そうしたらわりあいいい時間になっていたのでB&Bに向かった。山階基さんと古賀及子さんのトークを聞くためだった。トークはとても面白かった、わたしの考えていることとは真逆で、すごい!!!そんなふうにつくれるんだ!!とかなり驚いた。山階さんが「感情で短歌をつくる人はどんどんボロボロになっていきそう」と言っていて、自分を削って再生しては削ってをやっていくのが創作だと思っているわたしは結構びっくりして、しかしその通りっすね〜〜〜と思った。

私小説という言い方があるがわたしが書く小説はぜんぶある意味ではわたくしの人生や考えが強く投影されていて、しかし文体によって回収されてその強かったり痛かったりする部分は作品から感じ取りにくいので、へらへらしながら創作やってるつよつよかなちゃんみたいな感じになっていてそれでキャラ作りとしては大正解なのだが、え〜〜〜人生をネタにしなくていいんだ〜〜とかこの感情から湧き起こるいろいろがあるから書けるものとかじゃないところでやっていけるのすごいな、と目から鱗が落ちすぎて目がなくなってしまうくらいなるほどって思ってトークを聞いていた。


おもしろすぎてサイン会終わったあと山階さんにご挨拶しようと思ったけどじっとしていられずふらふらとB&Bを出て下北沢駅まで歩いた。気がついたらスターバックスが目の前にあったのでコーヒーフラペチーノにチョコレートソースを追加したものを飲んだ。ずっと爆音でくるりを聞いている。こころの安定、騒がしいひとたちの音をぜんぶ切って創作について考えながらこの交換日記を書きはじめた。


あした歌集が発売になる。さっきまで山階さんと古賀さんのトークに集中していた気持ちがふと切れた瞬間からこころがそわそわして止まらなくなってしまう。わたしの本が出版社から出るのははじめてだ。歌集って何部くらい売れるのかもよくわからない。けれどだれかが読んでくれたらいいなと思う。知ってるひとやともだちや親戚やお世話になったひとみんなにプレゼントしたかったけどそれには手元にある冊数では足りないので、大変申し訳ないけれど一部のわたしの歌集をきっと買わないだろうひととかほしいけどお金ないひと(これほんとうにどうしてもお金が捻出できなければ条件とか問わなし、わたしと面識なくてもいいので住所とお名前教えてください。おくります。TwitterのDMかyokaimushroom@gmail.comへどうぞ)に献本することにした。ウワーーーみんな予約してくれたり買うよって言ってくれてほんとありがとうーーーーーー!!!!!!わたしはそれだけで本当に生きていける!!!!!!


原稿をつくった当時に超いいじゃんって思った歌ばかりをなるべく入れてあるのでぜひ読んでみてほしいです。サインが欲しい人はいつでも言ってください(イベントこれからいろいろあります)。サイン本も扱ってくれる書店さんあるようです。感謝すぎる…!!!


https://gendaitanka.thebase.in/items/85788889



↑これが現代短歌社の通販サイトです


http://gendaitanka.jp/bookstore/list.html



↑これが取り扱い書店一覧です(すべての書店さんに置いてあるわけではないのでが、だいたいどの本屋さんでも注文したら買えます。井口可奈『わるく思わないで』現代短歌社 とお伝えください)




宣伝までが長すぎる日記になってしまいました。トークイベントが面白くてカレーがうますぎたからです。買ってもらえると、あるいは気にしてもらえるとありがたいです。


次はひなちゃん!