41)旧中仙道の縁切り榎 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

板橋区の国道17号線の西側の旧中仙道板橋宿本町辺りを

デザインサーベイしました。

流石に昔の面影を残す家並みはありませんが

緩やかに蛇行しながら起伏のある街道だけは

歩くことの楽しさを思い出させてくれます。


表通りの17号線は中層のビル群が林立していますが

一歩入った旧道は交通量も少なく気持ちよく散策出来ます。


ただ、まとまった敷地はやはりマンションが筍のように

建ち始めています。


板橋の名前の由来になった石神井川に掛かる橋から

環七との交差点までの板橋宿上宿の中程に

縁切り榎なる木が一本ありました。





昔から人との縁を切る力があるとやらで

沢山の絵馬が奉納されていました。


榎=えのき→縁を切る なのかなと思いましたが・・。



絵馬の裏側を一つ一つ見てみると

病気や金銭などの一般的な事から、夫婦、昔の恋人

男女関係、会社の人間関係、ストーカー迄

あらゆる憎悪、災難、人間の煩悩が書かれています。


まるで、ドラマの題材集を見ているかのようです。

ただし、その内容を想像すると少し背筋が寒くなります・


こんなのもの人間の煩悩を背負ってくれる榎も

大変だと思いますが、今でも命を繋いでいるのは

そのお陰でもあるとも言えますが・・・


昔に比べれば人は自由になったかもしれませんが

自分自身からは自由になれないようです。



今年は利他の精神で、幸多かれと願います。