人の性格でまめな性格を几帳面(きちょうめん)といいますが、じつはこれは柱や角材の角の加工をする=面(めん)を取る加工の種類から来ています。
柱や角材の角は普通は90度の角ですね。
丸い柱や六角形の柱、八角形の柱もたまにはありますが、ほとんどは四角です。
柱を綺麗にカンナで削ると、角は尖がります。
うまく加工すればするほど、角は尖がって、手で触ると痛いくらいです。
また、少しでも物がぶつかると、角がへこんで仕上げが汚くなってしまいます。
そこで、角を少し斜めにしたり、丸くしたりして、面と取ります。
丸と角を組み合わせたり、斜めと角を組み合わせたりして、さまざまな装飾的な面取りの種類を生み出しました。
その中の面の種類の一つに「几帳面」という面があります。
これは、調布の家の大工の河村さんが作ったものですが、柱の角をこのように加工するのが几帳面です。
角の部分をもう少し丸く加工するのが本来の几帳面ですが、少しモダンにシャープにしたものです。
丸鋸とカッターで作ったそうです。
斜め上からの写真です。
横から見るとこんな感じです。
本来は角を保護したり、傷が目立ちにくいようにするために行うものと思われていますが、それよりも加工の技を見せるほうに進んだのでしょうか。
古代の貴人が、直接顔を見せずに話をしたり、対面したりするとき、姿を隠すスクリーンの生地を木の水平の棒に掛けて、二本の柱と座で支える構造のもの全体を「几帳」と呼びました。
その二本の柱の角に施す面加工を「几帳面」と呼んだものです。
加工に手間がかかり、こつこつと、細かく、辛抱強く、技を発揮しながら加工しないとできないため、細かく、丁寧な性格を几帳面な人と江戸時代ごろから呼んだそうです。
先人は、さまざまな道具を作って、細かい加工をしてきましたが。これも日本人のDNAに受け継がれているとしたら、現代技術のさまざまな現場で今でも生きているのでしょうね。
大切に受け継いで生きたいです