対面キッチンを希望される方は多いですね。
家族が一緒にいる時間の中で食事をつくっている時間が大きな要素になっていますので、その時に家族同士が向き合ってコミュニケ―ションをすることが自然です。
キッチン側は調理のためのスペースですが、リビング=ひろま側は何もない腰までの高さの壁=腰壁ではさみしいです。
家族のくつろぎの側に面していますので、飾棚や収納などに利用することがほとんどです。
その対面キッチンに造り付けられた収納=対面キッチン収納をどのようにデザインするかは木の家の全体の印象を決めます。
また、それは家族の想いや生活感が自然と表れる場所でもあります。
キッチン側がストレートに見えないように、キッチンカウンターより少し高く収納が造られることが多く、調理の手元は隠して、顔だけが見えるような高さであることが特徴です。
床座のひろまから右手のキッチンを見ていますが、上がキッチンの吊り戸棚の吊り込まれた下がり壁です。
絵などを飾れる様にピクチャーレールが組み込まれています。
その下が対面キッチン収納ですが、したが両開き扉の収納です。
杉の無垢板で造られた扉です。
その上は、オープン棚という扉のない棚です。
気軽に出し入れできることと、骨董の器などを見ることができるように扉を付けませんでした。
現在はびっしりと個性的な器やぐいのみが飾られています。
その上はキッチン側から使う小物棚になっています。
これも同様に下がり壁とカウンター収納によって構成されていますが、右側はキッチンへの出入り口側からの収納になっていますので、四角く切り取られたハッチ状の対面方式です。
ひろま側の収納は、ほとんどが引き出しです。
中央付近の引き出しは段ボール製の箱型の引き出しで、そのまま外してどこにでも持って行って中のものを使えるようになっています。
子供さんが自分の文房具や遊び道具を入れたままにして、使うときは箱毎に引き出して机に置いて使っています。
下の段ボールの箱はキャスターという車付で、大きめのものでもそのまま引き出して使うことができます。
収納の使い方をイメージしながら設計しています。
こちらは少し変わった使い方ですが、無垢の一枚のカウンターをひろま側に付けることを優先しました。
カウンターの奥が少し引き込んでいて、小物が邪魔にならないように置くことができます。
カウンターの下は両開きの扉の収納で、奥行きもあるのでひろま側から使う様々なもの以外のものも収納できます。
上はオープンラック形式の収納で、重いものではなく、飾り物を置く程度に使います。
キッチン側は吊り戸棚です。
右手奥の棚には電話や小物を収納できるようにしています。
これらはほんの一例ですが、ご家族の生活をイメージしながら設計していきます。
ものを見せるよりも扉で隠すことが多いですが、収納するものによっては見せる方がよい物もあります。
家族の中心的な場所である対面キッチン収納周りは、肌理の細かい設計が必要な場所ですね。