13)風が抜ける床 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

節電のためにエアコンをなるべく使わずに生活することが求められています。


そのために、木の家の快適道具としての越屋根窓や招き屋根窓、様々な窓を適材適所に組み込む方法をお伝えしてきました。


今後の家づくりやリフォームにおいて積極的に検討していただければと思います。


さて、そのような窓は家の外と内をつなぐものですが、家の中の部屋と部屋や、一階と二階などを風通しを良くしていくことは、窓の工夫をより生かしていくためにも重要です。


そのひとつが、風が抜ける床です。


空気は暖まると軽くなり上に上昇する性質がありますが、一階の天井に溜まった空気を二階に抜いて、二階から外に抜くことができると効果的です。


そこで、二階の床を格子床(こうしゆか)にする方法です。



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以前に越屋根窓(こしやねまど)でご紹介した松戸の家 の二階の階段ホールの床です。


十文字に組まれた床の梁の木組みの間に、格子状の床パネルが組み込まれています。


格子の間から一階の空気が二階に抜けるようになっています。


二階ホールの光も、柔らかく一階に落ちます。



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格子床の下がこの写真の天井に障子が組み込まれている部分です。


これは、冬場の障子を締め切った時のものです。



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これは夏バージョンの状態です。


障子をあけると格子の下面が見えます。


上からホコリが落ちてくるのではないかと思われるかもしれませんが、思ったほどでもないようです。



同じ手法で、階段室に組み込んだものが代田の家 です。



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階段室の踊り場ですが、この下は半地下の玄関にあたり、玄関に光を落とすとともに空気の通りを良くしようとしたものです。


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下から見上げるとこのように見えます。


家の中を風通しを良くしたり、空気が抜けるようにすることで、窓がより機能して、なるべくエアコンに頼らない木の家の生活ができます。



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