6)招き猫ならぬ、招き屋根窓 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

昨日のブログでご紹介した越屋根窓(こしやねまど)に加えて、実はもう一つ屋根に取り付けられる窓がります。


それは、「招き屋根窓」です。


招き猫が手招きするような形の窓です。


木の家づくりネットワークのホームページのトップページ から見ることができる、ユーチューブのビデオでもご紹介している「伊豆高原の家」では大活躍しています。


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平屋ですが、屋根の中央で一番高い位置の部分が、北側から南側に屋根を乗り越えるように飛び出してきています。


この屋根が丁度人を招くようで、招き猫の手?のようでもあり、光を招き入れるので招き屋根です。


その屋根の下に、四つの窓がついていて、そのうち左側の二つが開いていて、光と風を招き入れるとともに、室内の暖かい空気を排気します。


右側の二つはフィックス窓ですので、光だけを招き入れます。


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中の様子ですが、斜めの登り梁(のぼりばり)が左側と右側から登りつめて合掌する部分に招き屋根窓が見えます。


風の道をつくるとともに、骨太な木組みを照らし出して、空間の広がりを感じさせてくれます。


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玄関の上のロフトの窓からひろまを覗いたところです。


登り梁と一番高い位置にある棟木(むなぎ)が柔らかい光に照らされています。


右側の部屋の天井に近い位置にある回転欄間(かいてんらんま)が開いていますが、右側の部屋からの空気が招き屋根窓から外に出ていきます。


家全体の換気塔です。




さて、所変わってこちらは世田谷の「代田の家 }です。


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こちらの屋根は瓦ですが、その屋根にも招き屋根が付いています。


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近くで見ると大きく見えますが、奥行きの長い家のため、大きさも多少異なる7つの招き屋根窓がついています。


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これが中の様子ですが、先程の木の家と同じように登り梁の合掌部分に設けています。


両方とも、フィックス窓と電動開閉との組み合わせにしています。


電動開閉装置も最近はコンパクトになり、メンテナンスが容易になりました。




招き屋根窓は南側に向けて付けられることが多いですが、場合によっては北側に向けて付ける場合もあります。


北側の間接光は、時間に関係なく一定の光量であるため、絵画などのアトリエなどに適しています。


いずれも、ガラスはペアガラスとし断熱性を高め、直射日光を防ぐために和紙のフィルムを張った和紙調ガラスを使います。


雨仕舞にも十分な配慮が必要です。


因みに、代田の家では雨仕舞の材料に銅板を使いましたし、伊豆高原の家では屋根と同じガルバリウム鋼板を使って、耐久性を高めました。


高い天井があるのは気持ちがよいですし、屋根断熱と屋根通気をしっかりしていますので寒くはありませんし、熱くもありません。


越屋根窓と招き屋根窓の二つでダブル節電窓でした(*^o^*)



屋根の上に猫が手招きしている屋根=招き屋根を載せてみてはどうでしょう

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