10)木育(もくいく)の提案 | 木の家散歩

木の家散歩

木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

小田原の木の家の施主さんのお子様がこの三月で幼稚園を卒園することになり、奥様から在園生に送る記念品について相談を承っていました。


工事開始のころから工事中に出る木材の端材についてとっておいて欲しいと言われていまして、幼稚園の子供たちが木の造形に使うとのことでした。


しかし、在園生への祈念の品物となるとそうはいかないので、奥様と父母の方々で話し合っていたそうです。


その話し合いの中から、子供たちが自分たちの木の椅子を基本にして、椅子と椅子を組み合わせたり、桟橋として板を架けて遊んでいることから、その板を現場の残材でできないかと言う相談でした。


寸法的にやや大きいものですから、適当な残材がでないか見ていたのですが、どうも間尺に合うものが出てきません。


そこで、思い切って木の家づくりネットワークの木材供給産地の金山町森林組合に相談したところ快く検討してくれました。


木の椅子に旨く架けられる大きさを伝えて用意した板材を、上棟工事を担当した金山匠大工の長倉さんに加工をお願いしました。


子供たちが怪我をしないように角を丸めて、表面を鉋(かんな)で綺麗に磨いてくれました。


お子様が通う幼稚園はNPO法人で運営され、人間が本来持っている直観力や個性、感性を幼児期に伸ばしていこうというシュタイナー教育を取り入れており、指導者もドイツに留学したりしてとても熱心に取り組んでいるところです。


ただし、運営は厳しく、父母たちが中心になってバザーを開いた売り上げを運営資金にして何とか切り盛りしているそうです。


子供たちが無垢の自然の木に接して成長して、自然の木の風合いに親しむことを通じて、自然の恵みに感謝し、環境を大切にしながら創造的活動を行っていくことができたらとてもすばらしいと思います。


そこで、木の家づくりネットワークよりこのたびの木の遊び板を8枚寄贈させていただくことにしました。



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その木何の木・・・・金山杉ですが、金山杉を育てている「三英クラフト」と金山杉を製材、加工している「金山町森林組合」の「FSC認証木材 」です。


FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関です。


森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材にFSCより認証が与えられます。


消費者がFSCのマークが入った製品を買うことで、世界の森林保全を間接的に応援できることになり、その木材にはFSCのマークがラベリングされます。



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右下に刻印されたマークがFSCの認証マークです。


木の家づくりネットワークではこのFSC認証木材を使った木の家を施工していますし、金山町森林組合ではFSCのラベリングを行っていない木材でも、同様な管理の下で製材しており、林業管理会社においても再植林を続けています。


段取りしていただきました森林組合のスタッフの方からのメールでは、雪の多いこの冬から少しずつ春を迎える金山町の空気が感じられますので引用します。



> 今日の金山は小雨が降ってあいにくの天気です。
> でも、今までの雪降りと違って、春に少しづつ近ずいてるようで
> 嬉しくなってきました。(今年の雪は本当にすごかった)
> でも、まだまだ沢山の雪に囲まれていますけど・・・


住む人にとって喜んでもらえる木の家を設計監理し、施工管理して造ることを第一目標にしています。


その上で、住まい手家族の生活や関わりあう様々な人達との交流の中から、木の家で大人も、子供も育つ=「木育」の心がネットワークできることを期待しています。


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