こんにちは!
今日はミロコマチコさんの「オオカミがとぶひ」ご紹介します。
出版はこどもプレス。初刷は2012年なので、結構最近の絵本なのですね。
近所の児童福祉施設でもミロコマチコさんのアートイベントが開催されているというのを聞いたことがあったので、現在も子どもへ向けて精力的に活動されいる旬なアーティストさんです。
この絵本に出会ったのは、義姉さんからいただいたのがきっかけでした。義姉は子供のころから絵画が得意で仕事の傍ら趣味でアートを続けている方で、絵本はチェックよくしているそう。
お気に入りであろうものを、娘にくださったのです。そのひとつがおおかみがとぶひでした。
表紙のインパクトがかなり強め。子どものために書いたというより、大人もじっくり見たくなるようなアート感があります。
中身ももちろん全てのページがインパクト大。全部の絵が見切れていて、それが枠にとらわれない絵の描き方というか、絵本というサイズだけで収まらない自由さが、子どもの想像力を伸ばしてくれそうな感じがします。
登場人物は小学校低学年くらいの男の子ひとりで、あとは架空の生き物たちです。
オオカミがでてきたり、ゴリラがでてきたり、色んな動物が描かれているのですが、すべては男の子の想像です。
途中で、時間がたつのがはやいのはリスが時計の針を動かして時間を早めているせいだ。というシーンがあります。そして逆に時間が遅いのはカメが戻してくれたから。だと書かれているのですが、これがとても共感しました。
大人になっても、朝の時間と夜の時間ではなんでこんなにも時間のスピードが違うものかと思います。もう何十年も繰り返してきたことなのに、いまだに不思議に感じるこの感覚。
子どもにとっても疑問に感じない訳がないですよね。そんなこと考えないという性格の子もいると思います。でもこの絵本の男の子は考えます。そして考えた結果がリスとカメの仕業だというのです。
私が初めてこの絵本を最後まで読んだとき、最後の一ページを読み終わったあと、思わず「おおぉーーー!」と言ってしまったのです。
娘に読み聞かせながらだったので、おおぉー!というセリフもあるものだと娘は思ったようで、次読み聞かせたときも、「おぉー!が抜けているよ」と言われました(笑)
最後のページでは、動物たちは消え去り、静けさがやってきます。この物語では動物たち=自然現象です。自然現象は止まりません。雨はそんなにすぐやまないし、風も止められません。時間だって進み続けます。でも最後「だってぼくがねむったから」で絵本は終わり、真っ暗な闇とフクロウの絵で終わります。
これをみて、なんて哲学的なんだ・・・と思ったのです。
最初の大きなオオカミから、知らないうちに、この小学生の男の子の世界にぐぅーーーっと引き込まれていき、最後にはっと気づくのです。そうだ、自分が感じるから世界が存在するんだということにです。
私が見る世界と、私以外の人が見る世界は全く別ということを、日常では忘れてしまうことがよくあります。夫婦の間でも、長くいると言わなくても分かることも増えてきますが、時々期待しすぎて、なんでわかってくれないの。と思ってしまうこともあります。
でもこの絵本を読むと、他人とのみえるものの違いと、それらは自由であっていいということと、自分がみえているものは自分が作りだしたものなんだということを思い出させてくれます。
そして子どものころのピュアな心も。
でも3歳の娘にとっては、夜の寝る前に読む絵本としてはちょっと怖いようで、「おおかみがとぶひは夜に読まない」と決めているようです。
確かに色使いも薄暗い光では見えづらいし、日中の窓際で読むのがおすすめかもしれません(^^)
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