こんにちは。きのひです。

「投資信託はこの9本から選びなさい」 中野 晴啓 著 を読みました。

2013年7月19日 第1刷発行

2014年5月9日 第6刷発行











著者はセゾン投信株式会社 代表取締役社長。

米バンガード・グループとの提携を実現、現在2本の長期投資型ファンドを設定、販売会社を介さず資産形成世代を中心に直接販売を行っています。












「窓口ですすめられた投資信託は絶対に買ってはいけない!」

なぜなら、将来安心できる「資産作り」に向いた投信は証券会社や銀行ではおすすめしてもらえないから。











しかし投資信託の基本的な商品自体は、とても優れたものです。

「長期投資できるいい『投資信託』を選べば、誰でも自分の資産が作れる!」











大勢の個人から少しずつ資金を集めて、その資金で世界中のさまざまな資産に分散投資するというしくみは、個人が長期的な資産形成をするには非常に適している。

著者は1987年に社会に出てから、20年以上、資金運用の仕事に携わり、機関投資家として、さまざまな商品が設計され、販売されているのを見てきました。












「日本の投資信託は、なかなか個人の資産形成に貢献できる商品は少ないというのが、私の正直な感想です」

「そこで、個人でも大きな資産を作れるような投資信託があれば、という願いのもと、立ち上げたのが、私が今、社長をしている『セゾン投信』です」












投資信託を販売する金融機関は証券会社や銀行、ゆうちょ銀行、保険会社などがある。

販売をする窓口では、投資信託を買ってもらうと、その度に購入時手数料が入ってきます。











だから販売する側から言うと、短期間に売ったり買ったりしてもらえるような、短期投資向きの投資信託を売りたい。

投資信託を買って保有し続ける「長期投資」は販売する側から言えば恐らく「眼中にない」のです。











そしてここ5年くらいで、最も個人投資家の人気を集めた投資信託のひとつが「毎月分配型ファンド」

毎月分配型ファンドの特徴は、文字通り、毎月分配金を受け取ることができるというものです。











この「毎月分配型」というのは、長期投資には全く向かない。

投資信託の分配金は、受け取る際に税金が課せられます。











つまり、毎月分配型ファンドで毎月定期的に分配金を受け取っている人は、その都度、運用収益に課税されている。

また、投資信託会社の側からすれば、投資家に分配金を支払うためには、ファンドに組み入れられている資産の一部を売却するなどして分配金の原資を作る必要があります。












組入資産の一部でも売却する以上は、売却コストがかかってくる。

つまり、毎月分配金を受け取るということは、税金面でも、コスト面でも、投資家にとっては非常に不利なしくみになっているのです。











もっと言えば、長期投資のメリットのひとつである再投資効果も期待できなくなる。

投資元本を大きくできないため、運用益を大きく増やすことがむずかしくなってしまいます。











ところが、毎月分配型ファンドは、多くの個人に受け入れられ、これまでの投資信託の歴史の中でも、最大のヒット商品になった。

「やはり、10年後、あるいは20年後に得られる大きな利益よりも、たとえ少額でも目先で受け取れる利益に、多くの人は惹かれるということなのでしょう」













これは、そのデメリットを説明されていないというかわかってないからだと思うのです。

「毎月分配型ファンド」で「毎月分配金が受け取れますよ」とは説明しても「でもその都度税金がかかります」とか「複利効果は期待できなくなります」なんて言ってくれないでしょう。











窓口の人にとっては「商品」で「売ることによって成績をあげる」つまり売られる側の立場とは真逆なんですよね。

教えてもらえないデメリットは自分で勉強して学ばないと、なんですね。