こんにちは。きのひです。

「もっと!神仏のご縁をもらうコツ」 桜井 識子 著 を読みました。

2017年4月6日 初版発行











著者は広島生まれ。祖母は霊媒・霊能者、祖父は審神者という特殊な霊能力を持つ家系に生まれました。

幼少期の頃より多くの霊および神仏にふれて育った。











全国各地の神社やお寺・パワースポットを訪れ、その詳細をブログや書籍で紹介しています。

本書は空海さんや高野山について書かれている。











著者は若い頃、仏教にほとんど関心がありませんでした。

仏様の違いなどもわからず、お寺に足を運ぶ楽しさ、そこにある喜びや恩恵なども知らなかった。




「神社ばかりを参拝していました」











年齢を重ねるにつれてお寺にもぼちぼち出かけるようになり、多くのお寺を参拝することでお寺の良さに気づき始めた。

「今までこのご加護を自分から捨てていたのだな」











著者は高野山金剛峯寺から徒歩5分のところにある、大師協会という場所で授戒を体験しました。

金剛峯寺公式サイトの説明によると、授戒とは「仏さまの示された戒めの教え(戒)を阿闍梨さまから直接授かり法話を頂く儀式です」











この儀式で「菩薩十善戒」というものを授かる。


不殺生(ふせっしょう)「生きとし生けるものを殺さない」

不偸盗(ふちゅうとう)「盗んではいけない」



不邪淫(ふじゃいん)「倫理を失った関係を持ってはいけない」

不妄語(ふもうご)「嘘をついてはいけない」



不綺語(ふきご)「お世辞など、無益なことを言わない」

不悪口(ふあっく)「悪罵しない」



不両舌(ふりょうぜつ)「二枚舌を使わない」

不慳貧(ふけんどん)「むさぼらない」



不瞋恚(ふしんに)「怒らない」

不邪見(ふじゃけん)「間違ったものの見方をしない」












「多くの方がこの十善戒はどこかで見たことがある、と思われたのではないでしょうか」

「この10項目をしてはいけないってことでしょ?と、そのように捉えている方も多いと思います」











「以前の私もそうでした」

「しなければいいのね~、とそう思っていました」











実はこの教えはとても深くて、教えとしては単に「してはいけない」と言っているのではなく、心のあり方を説いている。

戒律という言葉は「戒」と「律」に分かれます。











「してはいけない」というルールを決めた部分が「律」

「戒」のほうは、人間が本来持っている「仏様と同質の部分(仏心)」のこと。











「具体的に説明をしますと、『不殺生』の殺してはいけない、という部分が『律』で、その時の気持ち・・・殺すよりも他者の命を大事にしてあげたい、そのほうが自分も嬉しい、という心の部分が『戒』というわけです」











「してはいけない」という「律」があって、自分はそれをしない、どうして自分はしないのだろうか?という理由というか、その心の動きが「戒」



「そこが大切なのですね」












嘘をついてはいけないと決まりがある、わかった、嘘はつかないようにしよう、と思うそこに自分の心も入っている。

「嘘をつくと信じてくれる相手に申し訳ない、噓がばれた時に相手を悲しませてしまう、そんなことはしたくない、嘘はつくまい、と相手を思う気持ちから嘘はつかない、ということになります」












ただ単に、嘘をついてはいけないと「決まっている」から、嘘はつかないようにしましょう、という教えではない。

「『その心のあり方が大事である』と説いているのです」











「仏様の心を持つ、自分の心のあり方」を説くのが「戒」の教え。

著者がこの日きいた阿闍梨のお話では「破戒」よりも「無戒」のほうが断然良くないとのことでした。











「破戒」は十善戒を破ってしまうことで「無戒」は十善戒を知らないこと。

「授戒とは『無戒』から脱出することですから、ぜひ授かることをおすすめします」











「知らなかったから~」より「知ってたけど破ってしまった」ほうがマシなんですね・・

なんとなく逆かと思ってしまってました。