こんにちは。きのひです。

「なみだ菖蒲(しょうぶ)」 和田 はつ子 著 を読みました。

2010年5月14日 第1刷発行











5月も半(なか)ばとなると、北町奉行所同心中原龍之介(なかはらりゅうのすけ)の庭はひときわ強く香り始めます。

ヒロハラワンデル(ラベンダー)は花穂(かすい)が紫色に色づく頃、花穂は言うまでもなく、葉や茎からも得も言われぬ芳香を発するのである。












ヒロハラワンデルは日当たりのよい、水捌(は)けのいい場所と土を好みます。

日照りや大雨は苦手で、龍之介の庭でも冬を越したヒロハラワンデルの株の半量以上が暑さで枯れたり、雨が続いて根腐れする。












そのためヒロハラワンデルを栽培するには毎年挿し木で増やし続けなければならない。

龍之介は新芽が出る三月からはじまって初霜の下りる頃まで、ヒロハラワンデルの挿し木を続けています。















ラベンダーは江戸時代から日本に存在していたんですね。

日本メディカルハーブ協会さんの記事によると日本には江戸後期に導入され、明治維新でも再導入されました。










しかし定着せず「1937年、曽田香料が北海道に種子を導入してから、産業として発展した」

しかし1972年以降、精油生産産業は衰退し、のちに富田ファームによって観光産業として復活しました。












上富良野 Navi さんの記事によると「戦後、合成香料が安く手に入るようになりラベンダー栽培面積は減少の一途をたどりました」

昭和52年に香料会社のラベンダー油の買取が打ち切られ、ラベンダーの農業作物としての生産は終わりとなった。











この頃、昭和51年国鉄のカレンダーで中富良野町北星のラベンダー畑が全国に紹介されました。

また昭和52年には上富良野町東中のラベンダー畑が北海道新聞に掲載され、それ以来観光客が訪れるようになった。











栽培していた農家もラベンダーの生き残りをかけて、観光客の土産や町外への販売の為、苗木の栽培・鉢植・切花・ドライフラワー・ポプリなどを生産。

「さらに民間のラベンダーを含めた花観光農園も増え現在に至っています」











ラベンダーの品種は「真正ラベンダー」「スパイク・ラベンダー」「ラバンジン」の3種類に大別される。

現在日本で主に栽培されているのは、真正ラベンダーという品種です。












ラベンダーは地中海沿岸原産のシソ科の常緑性低木で多年生植物。

シソの仲間は茎が四角形で「これは風などに強い構造」です。











ちなみにラベンダーの切花は「水の吸い上げが悪く、水を入れた花瓶で飾るには長持ちしないので注意しましょう」

それは茎が四角いことと関係しているんでしょうか。