こんにちは。きのひです。

「水無月の空」 稲葉 稔 著 を読みました。

平成23年12月10日 初版発行











服部洋之助(はっとりようのすけ)は北町奉行所の定町廻(じょうまちまわ)り同心です。

瘦身(そうしん)の洋之助は、色白で面長(おもなが)で額(ひたい)が広く眼光が鋭かった。










(まったくこれからゆっくり酒でも飲もうってときに・・)

小網町(こあみちょう)の自身番から知らせを受け、番人の案内を受けて殺しの現場へむかいました。












暗い家の中で、長火鉢の横に寝そべるようにして男が倒れている。

現場が荒らされた形跡はなく、着衣も乱れていません。



顔見知りの仕業(しわざ)だと思われた。












殺された男の名は米吉(よねきち)。

見つけたのは六年前まで同じ店で働いていた新蔵(しんぞう)でした。











新蔵は上方(かみがた)から帰ってきたばかり。

「昨夜(ゆうべ)品川に着きましたが、遅くなったのでそのまま一泊して今朝早く訪ねたんです」











洋之助は新蔵の様子を黙って眺めました。

返り血を浴びている様子はない。だが、着替えをしていればわからないことだ。











新蔵は膝(ひざ)をつかむようににぎりしめている。




「新蔵、おめえにはまだ聞かなきゃならねえことがある」

「今夜は大番屋に泊まってもらうぜ」











新蔵は驚いたように、さっと顔をあげました。

「わたしはなにもしていません」











「ああ、わかっている。きっとそうだろうよ」

「だがな、おめえが見つけた殺しだ。いろいろと教えてもらわなきゃならないことがある」











「そ、そんな・・」

新蔵は血の気の失(う)せた顔になった。











洋之助は下っ引きにも調べさせたが下手人につながるようなものはなにも出てきません。

考え事をしながら歩いていた洋之助。












そこは東堀留川沿いの河岸道でした。

やたらと燕(つばめ)が飛び交っている。




空の高みからは鳶(とび)が声を降らしていました。













鳶といえば、ことわざを思い出します。

「鳶に油揚げをさらわれる」

「鳶が鷹を産む」・・











鳶と鷹は違う鳥ですよね?

イメージが似ているんですが、だいぶちがうんでしょうか。











「Canon Global 」さんの記事によると「トビはタカ目タカ科でタカの仲間」

タカのなかまは1羽かペアで行動するが、トビはタカ科の例外として、群れることもあります。











トビは比較的スピードがなく、旋回していることが多い。

弱ったものや死んだものを食べることが多く、あまり積極的な狩りをしません。











それが「トンビがタカを産む」ということわざがあるようにランクが低く見られる要因になっている。











HEALTH &OUTDOOR さんの記事には「トンビ、タカ、ワシの違いと見分け方」がありました。

どの鳥もタカ目タカ科で大きさはワシが一番大きく、トンビが一番小さいと言われている。











トンビの鳴き方は特徴的で「ピーヒョロロロー」そしてシュッとした逆扇もしくは真っ直ぐな尾です。

エサが死んでいる動物や魚なので、他の鳥が逃げていかないという特徴もある。











日本における代表的なタカはオオタカで、尾は扇型をしています。

ワシよりはゆるい扇型。











生きている鳥が餌なので、追いかけることができるようにトンビと違って羽ばたくように飛びます。

タカが近くにいると、他の鳥は怖がって飛び立っていく。












大鷲は北海道で見ることができます。

尾はオオタカよりもさらに扇型がキレイで、先が白い。












「見分け方の結論」としては「尾が一番わかりやすい」

でもほとんどの場合はトンビです。











「豆知識」として「トンビ対策」も書いてありました。

トンビは食べ物を狙って滑空しますが、なんと視力8.0で50m先から2mm程度のものを見つけて獲物を捕らえる。










ということは「物を見えなくすれば良い」

「日傘をすることで回避することができます」





ベビーカーを押しながら観光するといった方は傘をつけておくと安心です。












ちなみに生物の種名は、世界共通の学名以外は俗名とされている。

「トビ」を「トンビ」と呼んでも、間違いではないそうです。