名古屋時代の役者仲間が

子宮癌で亡くなった。

誰からも連絡が来なくて

今日、

『知ってると思うんだけど、』という、親切な名古屋の劇団員からのメールで知った。

私は正直、
彼女の事など、今日まで忘れていた。

メールで真実を知り

なんだかボーとした気持ちになった。

何年も会っていないから

古ぼけた映像みたくなっていて
彼女が『死んだ』という事が

よく分からなかった。

電報を打った。
色んな段取りがあることに驚いた。色んな文章があることも。同じ日本語なのに、誰か違う人の言葉みたい。


やっちゃんとは、
恋の話を良くした。

彼女は綺麗なのに

いつも悩んでて、

いつも恋していて

かわいい人。


泣きたいけど、
泣く時間がないよ、
やっちゃん。

胸がいっぱいで苦しいのに
まだ電車の中だよ。


私が、やっちゃんに会ったのは19歳の時やったけど、

もう31歳になっちゃった。

お化けでもいいから
会いたいよ。

話そうよ。
恋の話。


子宮癌になった事を

心配させないように
誰にも言わずにいたって聞いて

やっちゃんはやっぱり

かっこいい女だなって

思って。