読書記録です。


「死んでもいい」櫛木理宇  ハヤカワ文庫





書き下ろし二作を含んだ短編集です。

「死んでもいい」
「ママがこわい」
「からたねおがたま」
「その一言を」
「彼女は死んだ」
「タイトル未定」


表題作のタイトルからして怖いですガーン
でも長編の櫛木理宇作品に比べると
その情け容赦ない残虐な怖さより
お気軽に(気軽っていう言葉が
適切かわかりませんが)
手に取りやすい作品だと思います。


「死んでもいい」は
え…ちょっとズルくない?って
正直思いました笑い泣き

母親の直感でピンときたとは
2人は血が繋がってるという意味なのか、
真俊の父親の前妻って要の母親なの?
真俊と要は母親が同じなの?
なんて思っちゃっていました。

まさか
BR(暴力)がBL(ボーイズラブ)だなんて…。
ちょっと解る描写や伏線があったなら
結末の彼女の行動にも
複雑な女心が垣間見えて
もっと納得する作品になるのにと。 

でも
事件が目眩く愛の証であったという
核心は非常に面白かったです。


「ママがこわい」はイヤミスの香り。
こわいママが一人じゃなくて
二人いるってところが肝です。

「からたねおがたま」
これは好きな作品です。
高橋克彦さん「緋い記憶」など
記憶シリーズを思い出すような…。


「その一言を」
つきまとっていた男性の妻を切りつけた
ストーカー女が逮捕されて自供はじめる
その邂逅は誰のもの?
幾重にも張り巡らされた半生に
興味津々になる作品です。

「彼女は死んだ」
田舎の洋館で昔起きた
迷宮入りの殺人事件と青春。 
子どもの頃の想い出、美少女の同級生、
田舎の大きな洋館、水辺…憧れ、
そんなドラマ仕立てが好きなので
読んでいて楽しかったです。


「タイトル未定」
櫛木理宇さんという作家が
不気味なファンレターをもらう物語。
ホラーチックな作品です。


「からたねおがたま」
「その一言を」
「彼女は死んだ」が面白かったです。