「メディア/イアソン」を

観劇しました。


◇3/26(火)  昼公演  

世田谷パブリックシアター  1階M列





先週に引き続きまた
「メディア/イアソン」観劇です。

イアソンとメディア役の
井上芳雄さんと南沢奈央さん以外の
キャストさんが次々役替りする様も
その見どころも解って観劇するのは
更に作品を堪能できる良さが
ありました爆笑

初回は
復讐する場面まで長いな…
と思いましたが、それはきっと
はじめて見るからまだかなまだかな…
と待つからですよね笑い泣き

そしてやはり見どころは
復讐誓う場面以降です爆笑


女優さんが演じたい!
自分の役者キャリアに加えたい!
そして代表作にしたい!
これを演るために役者になりました!
みたいな役の1つだと思います。
王女メディア…とかマクベス夫人とか…
ここまで業を背負う役って
なかなかありません。

南沢奈央さんは
とても好演されておりました。
とてもいいお芝居だなぁと
思ったのですが、せっかくの熱演に
ちょっと空間が広すぎる?? 
今回の
シンプルな美術とシンプルな演出に
世田谷パブリックシアターは
少し広いかなぁ…と感じました。 
もう少し狭くて近い空間の方が
お芝居が生きたかなぁ…と。

井上芳雄さんは
ギリシャ神話がよく似合うラブ
衣裳も世界観もお芝居も…。
とても私の好きなビジュアルでしたキラキラ

ひとつ、気になったというか、
ちょっと惜しい…というか、
単に私がこうじゃなくて
こんなの見たい!と
思った場面がありました。


初回のこの部分は
(私が見た公演回だけなのかな…)
いつもその演出なのか、
サービスアドリブなのか、
よくわからなかったのですが、
2回観劇して2回とも同じ芝居だったので
たぶんそういう演出なのだと思います。

イアソン(井上芳雄さん)が登場して、
「もう16になるんです!
そうは見えないかも知れないけど…」
という場面。

そこで客席から笑いがおきます。

それは井上さんが笑いを誘うような
少し恥ずかしそうな芝居を
されるからだと思われます。
客席は
デビューから20年余り、
第一線で活躍されベテランの域、
他の追随を許さないほど唯一無二の
スターである井上芳雄さんが、
40代になられているけど16歳の役、
「(40代だから)そうは(16歳に)
見えないかも知れないけど…」という
台詞はそういう意味ではないけど
芝居はそういう意味になってしまう、 
ダブルバインドのようなお芝居に
なっておりました。 


単なる演劇オタ(私)が何か言ってるよ…?
ってだけなのです。

ここのイアソンは
(いつまでも少年扱いしてくれるな、
自分は16になるれっきとした男だ!)
14歳扱いは胸中心外である、
触ると怪我するナイフのような
緊張感ある芝居をみたかったかなと。

40代の役者さんが
16に見えないと思われて憤怒する
14歳ぐらいにみえるイアソン。 
後に口八丁手八丁で
権力を手に入れるために妻を裏切る男、
その流れの片鱗を見たかった!! 
私はそんな複雑な芝居をする
井上芳雄さんが見たかった!笑い泣き

この作品では
人の気持ちは変わるけれど
人間は変わらないと思っていて、
イアソンはそういう男性だし、
メディアはそういう女性だと思っている。

(40代だから16歳には見えないよね…
ちょっと照れる…おねがい)
のクスッと笑えるサービスも
楽しいけれど、
難度の高い芝居が見たかった、
見終わった時に、
復讐まで全ての台詞を紡ぐ時間は
最後の悲劇に繋がる芝居だったんだな
というギリシャ悲劇を見たかった
という私のワガママでした笑い泣き


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とはいえ、この脚本は、
今回の上演のために書き上げられたもの。
だからクスッと笑ってもらうための
ウケ狙いの台詞だった可能性も高いです。 
ということも付け加えておきます爆笑