読書記録です。


「オーラの発表会」綿矢りさ






装丁がとても綺麗なので
選びました爆笑


実家から近い大学に入学が決まった
海松子は
両親から一人暮らし体験を提案される。
彼女は実はとても美しいのだが、
本人には自覚がなくて
実家を出た途端、
服装にヘア、持ち物…
変人オーラが止まらない。

実家暮らし、高校生までの制服、
センスの良い母親が手を貸す
毎日の身繕い。
それが彼女独特の変人オーラを
これまで薄味に隠していたみたい爆笑

まね師(人真似ばかりする友人)、
あぶらとり神(大学の友人)、
七光殿(彼女を好いてくれる同級生)
サワクリ兄(サワークリームオニオンの
匂いがした父の教え子)…

周りの人々に
脳内で失礼なあだ名つけてみたり、
海松子はコミュニケーションも苦手。
だけど
本人はひとりで物事完結できており、
仮にいじめられても気づかない、
不思議な女の子。


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海松子の日常と内面が
丁寧な文学的表現で綴られる作品。
変人扱いされて
本人が理由に気付けないまま
ただ傷ついていくなら辛い…と
思っておりましたら、

両親は温かく
友だちも飄々と交わり、
読後感がかなり良かったです。

恋も友情も
このあとどのように続くのかは
皆目検討もつきませんが、
読書中は
「理解されにくい性格」の人の
伸びやかな心に触れる
幸せな時間でした。