「next to normal」を観劇しました。


*4/14(木) マチネ 
                    シアタークリエ 16列下手




こちらのキャストの皆さまで
1回の観劇です。




*ダイアナ…安蘭けい/望海風斗
*ゲイブ…海宝直人/甲斐翔真
*ダン…岡田浩暉/渡辺大輔
*ナタリー…昆夏美/屋比久知奈
*ヘンリー…橋本良亮/大久保祥太郎
*Dr.マッデン/Dr.ファイン
                   …新納慎也/藤田玲


両親と子は兄妹。
ある家族の物語です。

ダイアナ(安蘭)は
長年双極性障害を患い、
通院と薬服用で日常生活を送っている。
ダン(岡田)はそんな妻を支えている。
兄ゲイブ(海宝)にばかり愛情を注ぎ、
母にとって自分は透明な存在と感じる
ナタリー(昆)は日々不機嫌な様子。

同じ音楽を学ぶ学生のヘンリー(橋本)
がナタリーのボーイフレンドになり
優しく寄り添いますが、
ナタリーの精神はいつも不安定。
この一見ふつうに見える家族は
全員が絶えずストレスフルなのである。

ある日、ダイアナは薬を全て捨てて
電気けいれん療法という新しい治療を
試みることになる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


この少人数のコンパクトな作品、
磐石なキャストで観られることの
大きな満足感がありました。

この先内容に触れますので
知りたくない方は
お読みにならないで下さいね。


安蘭けいさんの熱演に
応える夫の岡田浩暉さん。
岡田さんは相手役に「応える芝居」が
いつも私の求めるものにピタリとはまる。
期待を裏切らない役者さんなのです。
今回も観られて嬉しかったです。


ネクストトゥノーマルの意味は
娘ナタリーの昆夏美ちゃんが
終盤で歌っていました。

普通じゃなくても普通の隣りで良い、
せめてその位のところに居たい、

生まれた時から
母親が精神の病で
娘自身が望むほどには愛情を感じられず
全く関心を持ってくれていない…
これが心の傷になっているようでした。
ナタリーは可愛らしくて才能もある
羨ましい女の子なのにショボーン
もったいなくて…。
昆夏美ちゃん、とても上手でした。


息子ゲイブの海宝くん。
今回の観劇、
こちらのチームキャストを選びましたのは
ひとえに海宝くん贔屓だからです爆笑

小さめのクリエで
海宝くんは歌怪獣みたいでしたびっくり
(歌怪獣の名称が
島津亜矢さんの独占特許だったら
ごめんなさいね笑い泣き)

その海宝くんが
歌怪獣GODZILLAみたいだからなのか、
なんなのかわかりませんが、
とにかくこの家族物語が最初から最後まで
皆さま歌怪獣合戦みたいに戦っている様で
熱い舞台でした。


てもね、 
もちろん熱い熱唱が心を打つのですが、
海宝くんの幻が不安定な安蘭さんを
そっと彼岸に誘う場面が
とても繊細な歌声で印象に残りました。 

(私が日本人なので
彼岸なんて表現を使いましたが…
自慢の息子が死神みたいに見える場面です)


わりと早い段階で、
息子ゲイブは赤ちゃんの頃に亡くなっていて
実は海宝くんは安蘭さんにしか見えていない
愛する亡き息子が自慢の青年になった幻だと
明かされています。


舞台装置はシンプルですが
よくクルクルクルクル回りますびっくり


そのクルクル回る様が
日々進んでも進んでも
ちっとも良くならないダイアナの病や
家族の機能不全の不幸をも表現されている
みたいでした。


それで全く関係ないのですが
紫色でクルクル回ってほしいクリエ作品
といえば…レベッカです。


こんなに
この劇場がクルクル回せるなら…
あのレベッカのマンダレイの屋敷。

ダンヴァース夫人が後妻のわたしを
バルコニーに追い詰めるあの名場面で
ぜひクルクル屋敷を回してほしいなぁと
レベッカ…冬にまたそろそろ観たいなぁ
と思った次第です。