「笑う男」を観劇しました。





*2/10(木) 帝国劇場1F N列上手




*グウィンプレン  浦井健治
*デア   真彩希帆/熊谷彩春
*ジョシアナ公爵  大塚千弘
*デヴィットディリームーア卿
         吉野圭吾
*フェドロ    石川禅
*ウルシュス   山口祐一郎
*アン王女    内田智子   他


物語は「レ・ミゼラブル」で有名な
ヴィクトル・ユーゴー原作「笑う男」です。
こちらのミュージカル作品は
~永遠の愛~という副題のとおり
ラブストーリーでありながら
「金持ちの楽園は
貧民の地獄により造られている」の通り
貴族社会への反骨が
そこここに感じられます。


内容に触れますので
知りたくない方は
お読みにならないで下さいね。



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初演の日生劇場版との大きな違いは
主演以外のキャストと舞台装置です。
美術と言わずに装置と書いてみました爆笑

日生劇場の時は
韓国上演と同レベルの装置が入らなかった、
と聞いたような気がします。
(それでも豪華でしたよキラキラ)

今回の帝劇では日生より
一段二段ぐらい大がかりな装置になり
特に奥行きが深くて深くて、更に
その豪華装置が回転しながら格納されたり
上下したり
「おお~びっくりなんかすごいぞ!」
とワクワクしました。
西洋の一万円ぐらいする豪華絵本を
開くような楽しみがありましたピンクハート

初回なので
ファーストインプレッションをいくつか。

まず、
山口祐さまのウルシュスのお家が
リカちゃんハウスではありませんでした。
(折り畳み式ではないよ、と言う意味です)

私のウルシュス一番お気に入り、
2幕♪脆い心♪
初演より更に囁きが増して
マイクにのるか乗らないかの瀬戸際びっくり
(手嶌葵度が過ぎる…笑)
とてもとても印象に残りました。

浦井くんは髪型が短くなっておりました。
まんまるピンクのほっぺの盛り上がり
ツヤツヤで可愛らしかったラブ

グウィンプレンのデアへの手のとり方や
話しかけ方、お顔の近づけ方、
手の甲にキスをする時、いろいろが
(もちろん初演でも優しくて優しくて
萌えポイントでありましたが、)
さらにゆっくり丁寧で
愛おしさが増し増しだと感じましたラブ

もう素敵すぎる!ピンクハート

一方のジョシアナ公爵との場面は
初演ほど面白くも滑稽でもなく
(初演を誉めています)、
面白くないかわりに
ジョシアナの生きづらさや焦燥感が
浮き彫り(こちらは再演への褒め言葉)
になったと感じました。


ジョシアナ公爵のキャストが
違うからだと思います。

どちらが良いとかではなく、
初演はとにかく誘惑場面が面白かったし
彼女の押しの強さが魅力的で
浦井くんのリアクションも見所で…。

今回は楽しいとか面白くはないけれど
大塚千弘ちゃん等身大のジョシアナだな
痛々しさがリアルだなと見ていました。

アン王女が初演よりダイナミックになり
登場する度にくぎづけになりました目
(貴族院のセットは
初演の赤と白の円形のものの方が
アン王女が映えたような気がしました)


舞台装置が豪華になってる!
と最初に綴りましたが、

2幕最初の
グランチャリー卿の宮殿のベッド。
これは今回は寝室自体が高くなり
そこにベッドを設置されているので
初演のあり得ないほど
(寝相悪かったら死亡事故が起きそうな)
高い高いベッドではなくなっていました。

ベッドから階段を降りるのではなく
寝室から階段を降りる仕様でした。

あと衝立ての後ろで
プリンススタイルラブにお着替えして登場!
の楽しみが少し減りました。
(衝立てが低くなっていたのショボーン) 

それから
♪世界を変える
♪目を開いて
♪笑う男
の大ナンバーが続く
グウィンプレン一番の見せ所爆笑

客席の私も
手に汗握りながら力が入ります!

笑う男♪のバックに
影が映るいい感じの演出。
いいぞいいぞ…ここで歌い上げるよーん爆笑
がんばれーーキラキラ

でもでも…歌い終わったら、
まだ舞台にいらして
そのまま下手に歩いてはけました。

あ…私はね、
最後ホワイトアウトして
真っ暗に落としてほしかったのタラー

あと、
なんとなく私がみる時だけ
たまたまなのかも知れませんが、
ラスト直前の溜めながら歌い上げるところ。
ちょっと早いのよ浦井くん笑い泣き

(浦井くんが早いのか、
オケが溜めがちなのかわからないけど
あと私の好みが細かすぎるのかもだけど
ホンの少し、少しなんだけどアセアセ
もったいないから溜めてーーと思っちゃう)

ファーストインプレッションで
簡単にと言いながら
好きだからついつい熱く綴りすぎて
いますでしょうか…キョロキョロ

でも
ヒロインのデアを語らずして
終われませんのであと少し…。

この公演回は真彩希帆さんのデアでした。
歌姫といわれてとても上手な方だと
聞いておりました。
私ははじめて拝見するので
とても楽しみ爆笑

歌は…
あれ真彩希帆さん、いつ歌うんだろう…?
キョロキョロ

なんと!
ヒロインデアはそんなに歌い上げるほどの
歌唱シーンがないのだびっくり!と
今さら気付いた次第です(笑)


もちろん
グウィンプレンとのデュエットも
フィーヴィーやヴィーナスとの
洗濯物干しの場面も美しいお声でしたが
それより私が一目おいたのは芝居です。

真彩希帆さんのデアが素晴らしいというか
凄かったのです、怖いほどガーン

この作品は
最後に病死したデアを抱いて
グウィンプレンは入水自殺をして
天国で幸せになるという
悲劇的結末なのですが…。

そもそも虐げられた人が
入水自殺するという結末を
(リアルでは悲劇にしかならないものを)
「天国でふたりは永遠の愛で結ばれる」
アンチテーゼをもって美しく昇華させて
客席を感動させる物語だと
私は理解しております。

初演のデアは
お二人ともそのおとぎ話のヒロインとして
悲劇的なものを美しい物語に寄せる
(悲劇になりすぎない)陽の余白が
ありました。


真彩希帆さんのデアは、
盲目の美少女の純情を
隙なく演じてその結果…。

グウィンプレンじゃなくても、
彼女を愛してしまったなら
その亡骸を抱いて入水しちゃうよね…
という、
(誤解を恐れずに表現しますと)

まさに「ピュアの暴力」。

(誉めています!)
一点の曇りもなく
女性の私から見ても大好きになる、
真彩さん本当に清らかで天使のようで。
しかし
その結果、死ななくてもよい人を
故意にではなく道づれにしてしまう
悪意のないセイレーンのようなデアガーン

周りが愛さずにはいられない
真彩さんの凄まじい「ピュアの暴力」を
目の当たりにし帰り道々、
あの清らかな美しさを心底恐ろしくも
感じた次第であります。
(真彩希帆さんのデア、誉めています)