「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」を
観劇しました。




*1/23(木)  マチネ
    シアタークリエ  15列センター




ちょっと、おダサ目のファッションも
クリエちゃんが着てるととっても可愛い!




キャストがこれでもかと
脇まで豪華な布陣で固められております。


*三浦悠介 (井上芳雄)
*折口佳代 (咲妃みゆ)

*マスター(吉野圭吾・福井晶一)
*春江/ウメ(濱田めぐみ・月影瞳)
*早瀬/ゼス(上原理生)
*小野源兵衛(井上一馬)
*里美/リポーター(仙名彩世)

*ピア/キク(土居裕子)
*テムキ/フジ(畠中洋)
*ミラ(内藤大希)       他


遊園地の迷路で出会った
悠介(井上)と佳代(咲妃)の物語です。

悠介は不器用だけど
真面目な作曲家志望の青年。
佳代は不幸な生い立ちゆえに
やさぐれて生きていたが、悠介と出会い
地道に夢を叶えていこう、
幸せになろうとするのだか…。


涙なくして観られない皆さま、
客席のすすり泣きが聞こえる作品でした。

私は孤児の佳代の虐待死や性的暴行の
悲惨な顛末がわかっていたので、
最初の場面が一番胸にきました。

子どもの佳代ちゃんが
無邪気にシャボン玉を飛ばす姿です。
(どうも私は可哀想や悲劇には耐性があり、
無邪気だったり、えもいわれぬ美しさに
涙し心震えるみたいです笑い泣き)

とても良かったですよ。
悠介と佳代の物語に「宇宙人」という
エッセンスが入るだけで
笑いと壮大な仕掛けが生まれて!

佳代というヒロインをお佳代と呼ぶセンス、
30年前平成初期どころか戦後の混乱期か。
わてや、わてだす!って出てくる義理父とか
なんか思うよりずっと古いな…と思いきや
里美/リポーター(仙名)のファッションは
うん、こんな髪型やら服着てましたわ…ショボーン
と思ったり。
そっか!令和では昭和も平成もごっちゃな
昔ひとくくりなんやな、と。


月並みですが、笑いと涙と感動が良い具合に
ごちゃ混ぜになった名作(迷作!?)でした。


これでもかという程
酷い目にあうヒロインですが、
バイト先の人たちも明るくて、
恋人の悠介も優しくて、
宇宙人たちはおもしろくて、
キャストの皆さまの歌うナンバーは
虐待死や犯罪やレイプはどこ行った?と
思うほど、まるでNHK「みんなのうた」
のような人畜無害な旋律。

(この作品だって、
ご近所の日生劇場で上演中フランケン並み
の鬼畜な悲劇満載なのに、あっちは
もちろん激情に訴えるナンバー目白押し)
日韓の違いがおもしろい。

もちろん
日韓の違いという単純なものではなく、
作りたかったもの、
追求した結果が違うのよね。


井上芳雄さんをはじめ、
ヒロイン咲妃みゆちゃんの熱演、
喫茶店主夫妻のコミカルな芝居に
宇宙人の不思議なほど古風な演出は、

どうしようもない不幸をいくつ重ねても
決して客席に不快を与えない、
美しい音楽と感動だけを伝えようとする
その心意気にこそ、
私はなにより胸打たれる作品でした。