三谷幸喜さんの新作戯曲
「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」
を観劇しました。

*9/26(木)  マチネ
    世田谷パブリックシアター  1階L席下手




「シャーロック」というドラマが
秋から始まるそうですね。
ちなみにホームズがディーンフジオカさん
ワトスンが岩田剛典さんだそうです。
見たことないのですが
以前に竹内結子さんがホームズ役のドラマも
あったとか。
(こちらはワトスンが貫地谷しほりさん)

舞台で私が見たことあるのは、
「アンダーソン家の秘密」と
「ブラッディ・ゲーム」で
どちらもホームズとワトスンが
橋本さとしさんと一路真輝さんのコンビ。


同じような小説の名探偵だと
金田一耕助のキャストも
バラエティに富むとは思いますが、
こちらは皆さま男性だし、
袴姿で髪の毛をかきむしるキャラクターが
踏襲されており、比べると
断然外国人の名探偵ホームズ&ワトスンは、
性別も年齢もキャラクターの垣根を簡単に
超えて作品ごとの自由度が高いです。


今回の作品でも
これまでに見たことない人物像で、
社会では生きづらいセンシティブな若者
(でも周りの人たちにはとても愛される)
ホームズ(柿澤)を
(20歳年上?)ワトソン(佐藤)が見守り、
第一の事件「緋色の研究」を解決する前の
出来事という設定です。


*シャーロック・ホームズ(柿澤勇人)
*ワトスン博士(佐藤二郎)

*ヴァイオレット(広瀬アリス)
*ミセス・ワトスン(八木亜希子)
*マイクロフト・ホームズ(横田栄司)
*ハドスン夫人(はいだしょうこ)
*レストレイブ警部(迫田孝也)

*ピアノ演奏 荻野清子


1881年4月  
ロンドンベイカー街221Bの一室。
ホームズ(柿澤)とワトスン(佐藤)は
一緒にハドスン夫人の下宿に住んでいる。

すでに解決した様々な事件を
ワトスンは原稿に記録しているが、
ホームズはワトスンが自分の年齢を巧妙に
若くミスリードをしているのが気になる。

そこに
レストレイブ警部(迫田)がホームズに雑談を
女医ミセスワトスン(八木)が
夫ワトスンに荷物を届けに、
そして依頼人のヴァイオレット(広瀬)が
助けを求めてやって来た。

ヴァイオレットは、
見知らぬ男に追いかけられていると言う。
毎日目隠しをして連れていかれるという
あるお金持ち一家の家庭教師の仕事を
奇妙な条件で引き受けてから。


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三谷幸喜さんの作品は、
キャストのコメディセンスを生かすのが
とても上手です。
「この俳優さんの個性の内には
こんな面白く可愛らしい一面が!」を
見せてもらえるのが本当に楽しい。

きっとこの俳優さんが
天才なんだけど多動気味の愛されキャラに
なったら…とか、
綺麗なんだけど、人の言うこと全く無視する
勝手な人だったら…とか、
そして
そんな人たちを一部屋に集めてみたらと
細部まで愛と哀しみに満ちていました。

古畑任三郎の田村正和さんを思い出すような
過去の事例を早口でまくし立てる場面が
あったり、喜怒哀楽を縦横無尽に演じる
柿澤ホームズが魅力的です。

温かくて面白い佐藤さんも
美しい大根女優の広瀬アリスちゃんも
スマートな女医の八木さんも
堅物でガタイのよい強面なのに
愛すべき神経質さに
私がギャップ萌えを覚える横田さん、
絶妙な間でどうでもいいことを
やたらハキハキ発言する迫田さん、
台詞はもちろん所作だけでもコメディセンス
が感じられるはいだしょうこさん。
とてもいいチームワークでしたよ。


エピソードは
*3人の容疑者
*ヴァイオレット嬢事件
*消えたマカロン
*ランタンゲーム
*…
いくつも起きますが、
ホームズとワトソンが借りている一室で
すべてが解決するワンシチュエーション
コメディです。

会話劇ですから台詞が命。
三谷さんの戯曲が面白く計算されている
のはもちろんですが、間の取り方や台詞術、
キャストの技量が試されます。
これもとても良かったと思います。

本題の愛と哀しみの部分のテーマは
ずばり「スペア」。

そしてチラシやパンフを見ると
「THE SPARE」と
なんだったらタイトルより大きく
でかでかと書いてあるではありませんかびっくり

何ヵ月も前から
チラシなら入手しているのに
私ったらすっかり見落としていました爆笑