ミュージカル「ジキル&ハイド」
3月14日(水)マチネ 東京国際フォーラムC




物語は1888年 ロンドン。
医師ジキル(石丸幹二)は長年、
「人間の善と悪を分離する薬」を研究し、
遂に最終段階の人体実験までこぎ着ける。
しかし病院の最高理事会の審査で却下され
目的は果たされない。
婚約者エマ(宮澤エマ)やその父(福井晶一)
親友アターソン(田代万里生)も
ジキルの行き過ぎる研究熱を心配している。

ある夜アターソンに案内された娼婦館で
人気娼婦ルーシー(笹本玲奈)に
客と娼婦として「私を試して…」と
甘く誘われた言葉から、
「私を試す…(自分で薬を試す!)」を閃き、
正規のルートでの人体実験ではなく、
非公式に自分自身に薬を投与してみる
アイデアを思いつく。

研究室で極秘裏に薬を投与したジキルは
その日から邪悪なハイドの顔をもち、
街では連続殺人事件が次々に発生する。

ジキル&ハイド/石丸幹二
ルーシー/笹本玲奈
エマ/宮澤エマ
アターソン/田代万里生
サイモン/畠中洋
執事プール/花王おさむ
ダンヴァース卿/福井晶一

名曲揃いのミュージカルに、
もうピッカピカに油の乗りきった
石丸幹二さん主演のジキル&ハイドです。

前回婚約者エマ役の笹本さんが
娼婦ルーシー役に、
エマ役に新しく宮澤エマさん、
アターソンも石川禅さんから田代万里生さん
にバトンタッチです。

笹本さんが12歳から娼婦館に身をおく
若いルーシーを堂々演じておられました。

でも…なんでしょう…。
もちろんちっとも悪くないです…。
むしろ良かったのですけど
笹本さん、優等生女優さんのように
テキスト通りで綺麗にまとまるというか
もっとガツンと衝撃的なポイントが
欲しいような。

♪あんなひとが♪が、
もっと稚拙に可愛らしく夢見ると
結末がより切なくなるのではないか…とか
美しい色気より幼く借り物の色気で
男を欲情させる方が悲しく下品じゃないか
とか勝手に頭をよぎり観劇しました。

たぶんルーシーをキャリアにしたい舞台女優
さんは多くいる
そのくらい演じ甲斐のある役なので、
折角なら笹本ルーシーのこの芝居が見たい!
みたいな圧倒する一場面があれば良いなぁ
と思いました。

これも笹本さんが、
もっと出来そうなポテンシャルの高さを
感じる女優さんだからで、
長くルーシーを続けて
変化や進化をみたいです。

綴るうちに…えらそうですね…
ごめんなさい…ショボーン

でも
登場から血濡れの最期まで笹本ルーシー、
とても良かったです。

後はアターソンの存在感が増していました。
田代万里生さん。
主演の心優しい友人役に
田代さんの右に出る者なし!
位に嵌まりました。

そして石丸幹二さん。
♪時がきた♪のソロだけで
チケット取って良かったぁラブと感激です。

それと、
最後に石丸さんがジキルとハイドを交互に
演じるシーンがあるのです。
もう歌の一、二小節くらいでジキルとハイド
を行ったり来たりする大忙しのシーン。

上手と下手を行き来するとか、
仕切る壁のセットを行ったり来たりなんて
できない瞬間芸だから、舞台のセンターで
石丸さん、客席に顔を右向けたり左向けたり
しながら、医師になったり悪魔になったり
するわけですよ。

一歩間違えるともう爆笑コントみたいなのに
ここの石丸さん、
笑う余地なんて一切ないくらい凄いのびっくり


綴るうちに誉めてるのか何なのか
おかしいのも自分で解っていますが、
私は笹本さんも万里生くんも
石丸さんのことも間違いなく誉めてます!




円熟期の石丸幹二さんをこの作品に拘わらず
追い続けたくなる舞台でした。

また再演されたなら行きます。