「1789」の観劇記録です。
5月5日のソワレ、10日のソワレを
観ました。

キャストは5日がこちらです。



そして、10日がこちらです。




フランス版も宝塚公演も観たことなくて、
この東宝版が初めてです。

だから、
的はずれな感想かも知れませんが、
そこは読み飛ばして下さいね。

子どもの頃に覚えるほど熟読した
「ベルサイユのばら」の
オスカルとアンドレがいない感じかな、と
思ったら本当にそんなお話でした。

舞台装置やプロジェクションマッピングの
動く背景や、アンサンブルのダンスシーンがバレエの公演みたいで、見所満載です。

これは満足でした。

キャストも
主要キャストの若手俳優さんたち、
脇を固めるベテラン俳優さんたちが
適材適所、楽しませてくれました。

それでも終わりまで、
心ゆくまで大きな拍手をしたい、
という場面がなかったんです。


見ていて聴いていて楽しい、けど…。
何か自分は物足りない。

少しメロディが懐かしいヒット曲のような
感じで好きなのです。例えば、
アントワネットの「全てを賭けるわ♪」は
聖子ちゃんみたいで、
「サイラモナムール♪」は
セクシャルバイオレットNo.1みたいで、
ソニンさんの「叫ぶ声♪」は
恋人よの五輪真弓さんみたいで。

例えが古くて申し訳ないのですが。

場面、場面そこそこ楽しいけど、
物語が進むにつれて蓄積されて
盛り上がっていかない。

それぞれのガラコンサートをみている感じ
でした。

若者4人主要キャスト、
ロナン(小池徹平・加藤和樹)、
ロベスピエール(古川雄大)、
デムーラン(渡辺大輔)、
ダントン(上原理生)が、

それぞれ一人一人見ると皆さん、
とても存在感も個性もあるし美しいので、

揃って歌うと客席を征服する迫力に
違いないと期待するのに、

なぜか1+1+1+1が答え1になる感じ
だったのです。

一人ならいいのに、
なぜ揃うと盛り下がるのかな。
歌です。

月桂樹の葉を印に「シトワーイヤン♪」と
歌うシーンは特に、
デムーラン渡辺よりダントン上原が
歌ってくれないかな、と思いました。

デムーラン渡辺が舞台に一人なら、
「頑張れ!」と思うだけですが、
なまじ隣りにダントン上原がいるので、
助けてやってほしくてたまらなくなります。

じゃあ、デムーランとダントンのキャストを取り替えればいいのかというと、
そうでもなくて。

なぜなら、
ダントン上原の恋人はソニンさん。

ソレーヌ役のソニンさんは、
横目であごを上げ2階席を睨みながら
迫力の歌うたい、ライトの加減で
眉毛がなくなるとさらに恐くなって、
見るからにドS系肉食女子で
「この女の子を自分のものにしよう!」と
思う強者男子は、たぶん
ダントン上原しかいないからです。

魅力的な所もたくさんある作品でした。

主役のロナンは、
小池徹平くんも加藤和樹くんも
どちらも持ち味を生かしていたし、

神田オランプは、声も顔も存在そのものが
まさにキラキラのヒロイン!だったし、
ねねオランプはまた落ち着いたヒロイン像
が良かった。

ロベスピエール古川は、
ずっと目で追わずにいられない美しさと
かっこよさ。

ダントン上原も粗野なインテリぶりと
抜群の歌唱力だったし、

アントワネットはとにかく絢爛豪華、
美しくて哀しくて。

秘密警察は楽しいし、
ペイロール岡さんは、これぞ悪役!
気持ちいい位に強くて怖くて
全てが迫力の大きさ。

なぜか今回物足りなさを感じるも、
再演されたら、また観たいと
思う舞台でした。