俳優座劇場で、
ふたりものがたり  リーディング公演
「乳房~天上の花となった君へ~」

初日の公演に行きました。




とても小さな劇場で、
ロビーも玄関みたいなんです。

昭和の香りがする劇場は、
この作品の世界観によく合います。





大きなお花のスタンドをご辞退するような
メッセージが劇場側からありましたが、
小さなエントランスを華やかに飾るのに、
丁度よいお花が正面に並べられています。


エントランスに入って、左側には、
内野聖陽さんへのお花。




右側には、波瑠さんへのお花。






朝ドラ「あさがきた」で共演した
玉木宏さんからのお花が目立つところに
飾られていました。




お父さまだった升毅さんからも。

開演30分前に客席に着くと、
懐かしい70年代の流行歌が流れています。

Mr.サマータイム夏物語、異邦人、
魅せられて、Howmanyいい顔…
そして、

「時間よ とまれ」

伊集院静さんの原作小説「乳房」は、
芸能プランナーの男と
照明担当だった若い妻の
闘病の話ですが、この作品は更に、
伊集院さんと夏目雅子さんをダイレクトに
想像させる脚本になっていました。

ふたりの役者の言葉だけで紡ぐ世界は、
話が進むにつれ、削ぎ落とされたあとに
残る純粋な愛が広がります。

矢沢永吉さんの「時間よとまれ」

   この人にかける

この一節の歌詞だけに、
全て表現できるのかと驚きました。

見たあとに、感動で胸がいっぱいになり、
いつもは一人で色々語る私ですが、
一緒にいた主人にも一時間くらい後に
ならないと何も話せませんでした。

主人も同じだったようで、
珍しく感動を口にしていました。

「すごく良かった。
休憩なしの1時間45分がとても短く感じる。
みんなもっと拍手すればいいのに。
もっと前でもう一度観たい。」

主人は手を怪我していて、
拍手ができません。
もどかしかったのね。

私も一番後ろの席なら、
一人でも迷わず立ち上がるのですが、
後ろにお席があるときには、
スタオベしたくても出来ないのです。

特に今回は年齢層が高めでしたので、
もし後ろの方がすぐに立てない方だったら
申し訳ないし、なんて考えてしまいました。

舞台の本編の感想は、
またあらためて綴りたいと思います。

内野さん、波瑠さん、
とても好演されていました。


カーテンコールで印象的だったことを
綴ります。

内野さんと波瑠さん、
とても安堵した様子の笑顔で
ご挨拶していました。

初めての試みの舞台に、
きっと緊張した初日公演だったのだと
思います。

内野さんが
若い波瑠さんの健闘をねぎらうように
握手を求めて、嬉しそうな波瑠さんの笑顔
が愛らしかったです。

そう、このときに一瞬、
奇蹟のように見えたものがありました。

カーテンコールで、
まず上手からお辞儀をすませた内野さんが、
手を広げ、波瑠さんを舞台に迎えると
下手から小鹿のように軽やかに現れるのですが、その一瞬だけ、

波瑠さんの姿に
夏目雅子さんの幻がフワッと浮かぶように
見えました。

不思議ですね。