「グランドホテル」、
4/20のソワレを観劇しました。

パンフレットは
とてもシックなデザインです。




宣伝のチラシがとても親切でした。




2つ折りのチラシを開くと、ストーリーと
演出家トムサザーランド氏のメッセージ、
下にはキャストの皆さんの写真。





更に挟み込みで詳しい人物相関図まで
載っています。





ほぼこれだけ目を通せば、期待と安心、
同時に確認したような気持ちに
なりました。
なんて至れり尽くせりの親切なチラシ。

舞台は、1920年代の大都市ベルリンにある
華やかな「グランドホテル」。
境遇の異なる人々が織りなす群像劇です。

グリーンチームとレッドチームの2通りの
キャストと演出があります。

同じ脚本同じ音楽を使いながら、
結末が異なります。

これは作家ヴィッキーバウムが原作小説を
執筆した時には、この後ドイツが
どのような歴史を歩むか、
人々も著者もわかってはいなかった。
まだ小説が「警告」に過ぎなかったのです。

しかし、今はこの後ドイツでどのような
悲劇が起こったのかを我々は知っている。

日本で上演するにあたって、
トム氏が「2つの違う結末があります」
と言うと日本のプロデューサーが、
「1つに決めなくても両方できます」
と答えたそうです。

テレビや映画に比べると、
楽しむ人口も少ないと思われる観劇。

日本は小さな島国ですが、演劇の文化も
思うよりずっと豊かなのだな、と
2通り上演を決めた日本のプロデューサー
に感動しました。

パンフレットやチラシを確認すると、
企画製作は「梅田芸術劇場」でした。

それもチラシ、パンフレットと共に
小さく最後に載っているだけ。

「当日券を入手したいときに
どうするのかしら?」と前に確認したら、
梅田芸術劇場に電話するように
案内されたんですね。

その時に初めて気がつきました。

上演は休憩なしの2時間5分。

幕が開くと、舞台がフロントにロビーに
客室にバーにと、なんと暗転も無く
一気に華やかなショーのように
最後まで進みます。

時に、
上手下手で違う芝居が同時に進んだり、
スタイリッシュでおしゃれで哀愁漂う
大人のミュージカルでした。

グリーンの主なキャストは、

中川晃教(オットークリンゲライン)
宮原浩陽(フェリックス男爵)
戸井勝海(ヘルマンプライジング)
昆夏美(フレムシェン)
藤岡正明(エリック)
樹里咲穂(ラファエラ)
光枝明彦(オッテンシュラッグ医師)
安寿ミラ(グルシンスカヤ)

せめて余命を悔いなく過ごそうと全財産を
持って憧れのグランドホテルに
やって来る病身の会計士オットー。

かつて一世風靡した年老いたバレリーナの
グルシンスカヤ。

若く美しいが借金取りに追われる男爵。

ハリウッドスターを夢見るフレムシェン。

倒産の危機にある社長。

オープニングで華麗に紹介されて
チェックインが始まります。

キャストも演出もとても素晴らしいですが
やはりオットー役の中川晃教さんです。

芝居と歌の区別がつかない。
歌うような台詞、台詞のような歌、
感情はそのままリズムやメロディに
なるような感じ。

中川さんの身体に持っている楽器と心根が
生来役者さんと言う感じです。

群集劇のオープニングで、
スターにありがちな
一人オーラで目立つこともない。

相手がどんな役者さんでも、
歌も台詞のやりとりが自然で
自分だけではなく皆を生き生きと魅せる。

なのに、
ソロやデュエットでは誰より本物。

私は
内野聖陽さんと井上芳雄さんのファンで、
だから舞台をみるとつい、

「この役、内野さん(井上さん)やってくれないかな」

とか内野さんや井上さんの舞台を見ると、

「やっぱり素敵すぎる!
 でもそろそろやっつけられる位の人も
 出てこないかな」

とか思ったりします。

中川晃教さんを見るときだけは、
「この役を井上さんで…」とか、
不思議と思わないんですよね。

あとこの日の公演は、
スペシャルカーテンコールがあり、
中川さんの「At The Grand Hotel」の歌と
キャストの皆さんが客席に
グリーンの紙吹雪をまいて
挨拶をしてくださいました。





はらはらと身体についた紙吹雪は、
四つ葉のクローバーでした🍀