作品とは何の関係もありません。
ただ「二人で行ったよ」という記録です。

一人の観劇も最近は夫婦で楽しむことが増えてきました。

でも観劇の後に、お喋りするのが面倒くさそうなんです。

「僕はあなたみたいに演劇の事も音楽の事も音が外れているのかもわからなくて、
面白いか、面白くないかしかわからない。」

また来年も見たい!と言ってるエリザベートさえ、「面白かった」の一言で終了です。

でも「今度何行くの?いつ行くの?一緒に行く!」と言われれば、
「楽しみなんだな、興味あるんだな」と
2枚チケットを取ります。

そう、楽しかった!面白かった!また行きたい生の舞台って!
それで充分なんですよ、感想。


「パッション」何でも聞いてね。

ただの一度だけ観劇するあなたのために私、ちゃんと予習できてますから。

(見所はどこなの?)

・クララ役の和音美桜さんの美しいソプラノ歌唱と抑制の効いたヒロインぶり、
フォスカ役のシルビア・グラブさんの鼻にかかった孤独な湿原を思わせる声質と歌唱、
その孤独な湿原の沼にズブズブはまる井上芳雄さんのノーブルな演技と歌唱。

・奥行きある舞台を斜幕を使ってのシンプルですが、
クラシカルで美しい美術と照明。

・オーケストラのレベルの高さ。
(女性指揮者のタクトの動きもすごく綺麗だから見てね。)

・食事のシーンの前にはオペラ歌唱が聴けるよ。

・フォスカ登場シーンのトリル多用使いのピアノ曲が1幕では転調だらけだけど、
2幕のクライマックスでは「ショパンか?」と思う位美しいこと。


(予習しておくことは何?有名な曲は何?)

・「Boot」3分位の宣伝番組を録画したから、それを見ておけば充分ですよ。

真面目な主人は、「昨日の夜と今日の朝、2回「Boot」を見たよ」と私に報告。







井上芳雄さんの解説もちゃんと頭にいれたみたい。
「逆オペラ座の怪人なんだね」
「…。男女の設定がね。
でも世界観はもっと身近で台詞に感情というメロディがついて話は進むの。
ストレートプレイとの融合みたいな…。」


夕方は長女からライン。

(長女)「パッション気を付けて。」
(私) (?)

(長女)「今後の夫婦仲にひび入るで」
(私)(前からちょいイチ押しの俳優くらいにしか思ってないから)

(長女)「もうバレてるから」
(私)「!」

(長女)「いや、もうお母さんこっちの世界に戻って来れないんじゃないかと危惧してる」
(私)(そんなにハマってないよ~)

(長女)「いや、かなりヤバい」
(私)(大丈夫よ)

(長女)「中毒者は必ず大丈夫っていう」


何が悪いって、トートは死神だけどジョルジオは一般人っていう設定がね、
と勝手にきゅんきゅんの責任を他人のせいにする。


その日のソワレ。
仕事帰りの主人と待ち合わせ。

劇場に着くと横並びの席のセンター寄りをいつも私に勧めてくれますが、

「いえ、あなたがこちらへどうぞ。私はもう観てるから。」
(今日は横顔を見られたらアウトやろ)

用意したオペラグラスを私に勧めて渡してくれる。
主人はオペラを使わない。(男性ってそうですよね)

「あ、私オペラグラスはいいの。」
(この舞台、主人の前でオペラは使えない)

完全に挙動不審になってるやん、私。

もう開演前から「どうしましょう」って位に緊張します。

秘密の小部屋に夫がついて来ちゃったクララみたいになってるよ、私。

どんな顔して見てたらいい?
だいたいいつもどんな顔してるんやろ?