前回の一番パワーを持つ感情は? 愛?勇気?欲望?3 の記事の続きです。
人には 愛 勇気 恐怖 欲望 など様々な感情があります。
デヴィット・ホーキンズ博士は、それらの感情が持つパワーを20年間研究しました。
その感情が持つパワーのランク付けがこちらです。
悟り 700-1000
平和 600
喜び 540
愛 500
----------理屈の壁
理性 400
意欲 310
中立 250
勇気 200
----------正と負の壁
プライド 175
怒り 150
欲望 125
恐怖 100
悲しみ 75
無感動 50
罪悪感 30
恥 20
数字が高いほど大きなパワーを持ちます。
前回は「理性」の感情まで解説しましたので、今回は「愛」から解説していきます。
感情レベルの世界平均は「勇気」に届くか届かないかくらいで、正と負の間をさまよっています。
「愛」以上の感情はとてもレベルの高い感情で、このレベル以上に達しているのは全人口のたった0.4%だそうです。
-愛:500-
ここでの愛は「慈愛」と表現した方がしっくりくるかもしれません。
「キスしたい」とか「独占したい」といった異性に対する感情は「愛」ではなく「愛欲」になるので、欲望に分類されます。
ここでの愛は無条件で、命すべてにそそぐ愛です。
このレベルの人は、初対面の人も、道ですれ違っただけの人も、犬も、猫も、みんなに対して好意的な感情を持ちます。
なので、人間関係でイライラすることもないし、嫉妬したりすることもないので、深い幸福を味わうことが出来ます。
また、このレベルになると「理性」のレベルよりさらに頭の切れが鋭くなります。
理性では物事の細部を扱いますが、愛のレベルでは全体を扱います。
このレベルでは物事の本質を瞬時に認識することが出来るようになります。
それは、物事を順番に頭の中で解読していくのではなく、直感でとらえることが出来るようになるからです。
愛のレベルにある人の脳を調べると、βエンドルフィンが多量に分泌されているのが測定できます。
βエンドルフィンが分泌されると、思考力、創造力、記憶力、集中力などあらゆる脳の機能が向上することが明らかになっているので、「愛」が「理性」を上回るのも納得出来ます。
神様は勤勉な人にも力を与えますが、「慈愛の心」を持った人により大きなパワーを授けるようにしたんですね。
-喜び:540-
「愛」がより深く、より無条件になるにつれて自分の中で喜びが溢れ出てくるようになります。
僕たちはオリンピックで日本人が金メダルを取ると嬉しい気持ちになりますよね。
会ったこともない、話したこともない、日本が金メダルを取ったからといって一銭の得にもならない。
それでも、日本が勝つととても嬉しい気持ちになります。
そのよう嬉しい気持ちを金メダリストだけでなく、すべての人に対して持つことが出来るのが喜びのレベルです。
なので、喜びのレベルの人が見る世界はすべてが美しく輝いて映るようになります。
このレベルになると、目が合っただけで、人々の心を和ますようになります。
このレベルでは自我が消えかかってきて、「自分のため」や「特定の誰かのため」ではなく「すべての生命のため」という意識になります。
このレベルの人は、自分ではない何かの偉大なパワーを感じるようになります。
脳には自分の人生の中で得た知識や経験のゾーンと、先祖代々からの英知が詰まったゾーンとがあります。
どれだけ優秀な人でも、自分一人の人生で得た知識や経験には限界があるので、先祖代々の英知が受け継がれたゾーンを活用した方がはるかに高い能力を発揮することが出来ます。
先祖脳を活用するためにはβエンドルフィンを分泌させるのが一番です。
喜びのレベルの人の脳内ではβエンドルフィンがたくさん分泌されることにより神経回路が先祖脳にアクセスし、自分ではない何かの「偉大なパワー」を感じているのではないかと予想されます。
-平和:600-
平和のレベルになると、主観と客観の区別がなくなります。
「あなたは私」そして「私はあなた」です。
なので、自分の物を人に分け与えても「失う」ことはないし、人のものを奪って自分の物としても「得る」ことにはならなくなります。
生命全体に良い影響を及ぼすことが「得る」、生命全体に悪い影響を及ぼすことが「失う」といった感覚になります。
このレベルの人は各々の分野で天才的な力を発揮し、人類の改善のために活躍します。
自身に宿るすさまじい力は理屈では説明出来ないので、心は思考することを止めて、湧き上がる無限のパワーにすべてを委ねるようになります。
-悟り:700~1000-
人が辿りつける最も高い感情レベルが「悟り」です。
悟りは「自我」を完全に無くした状態です。
「私」という肉体的な区別は、もはや存在しないので、自分の運命にまったく関心を持たなくなります。
なので、病気や老い、死への恐怖は完全に消え去り、肉体はコミュニケーションを通じて「心」を介入させるための道具にすぎないと感じるようになります。
このレベルの人は関わる人すべての感情レベルを上げます。
このレベルに達した歴史上の人物は、イエス・キリストやお釈迦様などで、今も尚その教えにより、宗教という形で多くの人々の心に影響を与えています。
キリスト教の信者数は世界に約22億人、仏教の信者数は約4億人います。
キリストもお釈迦さんも紀元前の人物なので、キリスト教や仏教が生まれたのは2000年以上昔なんですね。
死後2000年以上経っても何億人単位の信者がいるということから、悟りのレベルに達した人の持つパワーが桁違いだということが解ります。
今回は愛から悟りまでの解説をしました。
このレベルになってくると超越した存在過ぎて、ちょっと辿りつける気がしないですね^^;
しかし、どんな人に対しても「慈愛」の精神を持つようにすれば大きな力が湧いてくるということは知っていて損はないと思います。
-最後に-
現代では、才能、能力、知識などが優先され、心が持つ力は無視されがちです。
特定の分野に対する才能や能力、知識は、時代によって必要であったり、必要でなかったりします。
しかし、優れた人格を持つ人は、どんな時代でもどんな状況でも必要とされ、自分自身と周りの人を幸福に導きます。
「悟り」のレベルにまで到達出来る人は限られると思いますが、正の感情、つまり「勇気」以上の感情を持つように常日頃から意識すれば、自分の人生は大きく変わってくると思います。
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