頬粘膜癌 495日目。

 

 血圧 122  - 86 mmHg

 血糖 - mg/dL (朝食前)

 酸素 99 %

 脈拍 73 拍/分

 体温 36.7 ℃

 体重 73.3 kg

 

 

 昼間の眠気は相変わらずで時々前後不覚。

 まぁそれでもそれなりに仕事はできているから良しとする。

 

 オキシコンチンの増量はやはり効果があるようで、ベースの傷みは抑えられ気味。もちろん痛くなるときは痛くなるんだが、頭痛にまで至ることがないってのがありがたい。ただ、舌のしびれの具合は収まる感じはなくほんの少しずつ増悪気味な感じもしないでもないってところ。

 

 エンシュアって栄養補助のジュースみたいなのを朝食時に1缶飲むようにしているが、すんげぇ甘い。黒糖とバニラとバナナ味。一通り試したけど、進んで飲みたい感じはあまりしない。カロリーや栄養補助になると思って飲んでいる。この調子で次の診察日までなんとか維持できればなぁという感じだ。

 

 

 世の中から消えてしまった、あるいはまだ残っているけれど限りなく消えてしまったもののひとつにジャズ喫茶とか、クラシック喫茶とかいうものがある。昭和の名残というか、今から40年とか30年前ぐらいがピークの文化なんじゃないだろうか?

 

 北陸とか地方に住んでいると、都会の文化が訪れるのに時間がかかるし、そもそも訪れないということもある。

 ジャズ喫茶とクラシック喫茶は極めて少なかったけれど僕の済んでいる地方にもあった。ロック喫茶ってのは、正直見かけた事は無かった。あったのかもしれないが僕は行き当たらなかった。もうちょっとコアな感じの歌声喫茶ってのはあった(あれは、さすがに入った瞬間に”これは違う所に入り込んでしまった”と思って店に入った瞬間にUターンした記憶がある)

 

 で、クラシック喫茶とかジャズ喫茶とかって、なんていうか独特な空気感があるわけですよ。

 僕なんかは喫茶店ってのはタバコ吸って、コーヒーのんでだらだらと時間を浪費する場所だった。まだ高校生だった頃、家には帰りたくなくてサ店で時間を潰して、タバコを吸ったりしていれば少し不良になれたような、そんな気分を楽しむ場所だった。

 所が、ジャズ喫茶やクラシック喫茶は違う。そこはガチ勢の場所で、そこそこの大音量でレコードがかけられていて、コーヒーカップを目の前に、お客さんも黙って(そりゃ、音楽聴く場所なんで雑談してるような人なんていないわけで)目を瞑り、なんだか小難しい顔をしている。

 1人でフラットお店に行くわけで、僕はカウンター席に座ってコーヒーを飲んだりしているわけだけど、レコードがターンテーブルから降ろされて、ようやく店内にささやかな人々の話し声が聞こえ始める。

「何か聴きたいのありますか?」

とかマスターに声を掛けられてもこちらは素人なので

「いや、すみませんジャズとかまだあんまり分かんなくて・・・・・・」

としどろもどろ。

「何か好きな曲とかあったら遠慮なく言ってね」

なんてマスターは気さくに声をかけてくれたけど、背伸びしたひよっこの僕はジャズ喫茶ではちゃんと会話に入れるまでの常連には到底なれなかった。

 

 ただ、こういうお店に置いてあるオーディオが凄い感じだったりして。お店の壁に、スピーカーが1セットとかじゃなく置いてあったりする。いや、そもそもウーハーの大きさがヤバい。スピーカーのキャビネットが僕の知ってる普通のシステムコンポとはなんだか全然違うのだ。

 当時は全然わかんなかったんだけど、大きなスピーカーシステムとかアンプやターンテーブルが光り輝いて見えた。音が空気を震わせるという経験を僕はこういうお店で経験した。

 

 震える音を聞きたくて、時々そういうお店を訪れていたのだが、やっぱり敷居は半端なく高い感じがしていた。それでも当時は目一杯背伸びして、そういう店でレコードを聴くってのを楽しんだ。

 お店に集っている大人達は一癖も二癖もありそうな感じだった。

 僕もそんな大人に憧れていた。

 

 気が付けば数十年。

 僕はそんな大人に近づいたのだろうか。

 

 この所、カウント・ベイシーを聴いていて、そんなことを思い出している。

 

 

 

 今日もいい1日であった。

 

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