頬粘膜癌、95日目。
血圧 114-81 mmHg
血糖 106 mg/dL (朝食前)
酸素 98 %
脈拍 81 拍/分
体温 36.5 ℃
体重 82.5 kg
さぁ、水曜日である。
今の僕にとって、水曜日は特別だ。癌になってから、毎日が特別であるとも言えなくは無いが、人生の中での日々がそれぞれ特別なんだという意味では無く、普通に1週間とかの短いスケジュールの中での”水曜日”として、少しだけ特別な日なのである。
抗がん剤治療3クール目、シスプラチン投入日である。
ルーチンというか、段取りはもう分かっている。特別なイレギュラーの予定だとか取り組みはない。1回目、2回目にくらべて随分落ち着いた気分で立ち向かえるというものだ。
これぐらいで収まってくれれば日常生活的に問題無いレベルであろう。
難聴いついては、このページが簡単でわかりやすかった。
抗がん剤投与の日は、とにかく朝からいろいろ点滴をしまくることになる。
今日の場合は、午前10時過ぎから午後4時頃くらいまでなんやかやと点滴に繋がれたままでアル。今日はリハビリもお休みとなってしまったので歩数なんて4000歩ちょいだった。残念。
内服の薬や点滴、外用薬など僕は今は20種類ほどの薬剤と関係をもっている。
モテモテである。
モテモテの宿命として、デートの曜日や時間を間違えてはいけないのは当然である。これを守れなければいっぱしのプレーボーイはかたれない。いや、ボーイじゃねぇし。プレイ親父? ジジィの前だからプレ爺である。
プレ爺なので、記憶には自信が無い。デート時間をすっぽかしてしまいそうな勢いだ。
もうちょっと、モテモテでいたいので文明の利器に頼る事とする。
今時のプレ爺はハイテクである。服薬してる薬をちょいちょいっとスマホに登録して、服薬スケジュールを入れていくと、デート時間になればちゃんと準備しろと教えてくれるわけだ。これですっぽかしとはおさらばだ。
約束しなくても会える相手は”必要なとき”に呼び出して遊べばいい。ワンダフルライフである。
デートの相手との楽しい時間はちゃんと思い出のアルバムに残しておこう。
実は、”トラマールさん”と”ワントラム女史”とは昨日別れた。新しい彼女ができたから。
新しい彼女は”オキノームちゃん”と”オキシコンチン”のふたり。看護師寮(ナースステーションともいう)住まいの箱入りである。アパート暮らしの自立した女性ではないので、むやみに連れ出して遊び回ることはできない。寮の先輩達(看護師のみなさん)にがっちりガードされ、許可がないとデートにも行けない。でも、会うともう骨抜き、メロメロなのである。そんなのは恋の魔法。最初だけかも知れないが。
という事で、鎮痛剤が変更になったわけだけどトラマールよりも効き目はあきらかに強い。口腔リハで、昨日までは耐えられないうずきが発生する運動も今日は凌げる。平常時に時々感じるような頬から唇にかけての刺すような痛みはほとんどない。
オキシコンチンは1日2回で常時血中にて濃度を保ち鎮痛効果が発揮される。食事前およびリハビリ前に時間を決めてオキノームを服用することで食事時の開口動作による痛みや口腔リハでの他動運動時の激しいうずきはかなり減少した。
食事時の痛みがないのはかなり良くて、”おいしい””楽しい””嬉しい”というポジティブな感覚で食べられる。
開口リハも、痛みをコントロールして効果が最大限に出せるようにSTの先生と相談しながら訓練メニューを選定している。完全にお手上げで停滞状態だったが少し先が見えた感じだ。明日は今日の訓練状態から新しいメニュー構成に変更して実施予定。
今日、一歩進んだらその先の未来が一歩見えてきた。
今日も良い1日であった。