プロレタリア文学として有名な小林多喜二の蟹工船がなにやら良く売れているらしいというニュースを読んだ。
にわかには信じられない話なんだけれど、どうやら本当らしい。
「蟹工船」再脚光…格差嘆き若者共感、増刷で売り上げ5倍 (読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20080502-OYT1T00457.htm
どうやら、最近になって大学生向けのマンガになっているらしい。
- マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための/藤生 ゴオ
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確かに、文庫で読むにしてもちょっと面倒だという事であればマンガもありなのかもしれない。大学生にとって「蟹工船」を読むという事は、その文学に触れるという意味合いよりも、そういう作品があったのだという知識としての必要性に追われているからなのだろう。
私は高校生の頃にこの本を読んだ。”プロレタリア文学””蟹工船””小林多喜二”はセットで記憶に焼き付いている。
しかし、蟹工船の文庫本がそんなに売れているとは正直驚きである。
実はこの作品、すでに著作権切れなので無償でも読むことが出来る。タダだから読むという姿勢に疑問を呈する人もいるかもしれないが、本来著作物の目的として考えれば多くの人に知られる事がその根本にある。その上で発表後一定の期間をもってその著作物の独占権を保護して著作者にちゃんと還元されるためのシステムが著作権法だと思う。
私は、著作権が切れた作品および著作権は放棄していないが独占的な権利を放棄したクリエイティブ・コモンズ的な作品は主義主張を抜きにして読みたい人はばんばん読んだらいいのだと思う。
好きか、嫌いか。どう思うかは、読んでからそれぞれが判断すればいいのだ。
読まずして、その先には行きつけない。
蟹工船がwebで公開されているものとしては
青空文庫
こちらに公開されている。作家別で小林多喜二で探すと見つけやすいだろうと思う。
勿論、文庫本も売っている。
- 蟹工船・党生活者 (新潮文庫)/小林 多喜二
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