健康志向の高まりで注目されるタンパク質摂取。しかし、摂り過ぎは腸内環境悪化で大腸がんリスク上昇のリスクも。

 

 この深刻な問題について、腸内環境への影響、具体的なリスク、適切な摂取量などを詳しく解説します。

 

 腸内環境悪化尿路結石など、タンパク質の落とし穴を暴き、健康的な食生活のために必要な知識を身につけましょう!

 

 

  腸内環境の悪化で大腸がんのリスク?

 

まず、お伝えしておかないといけないのですが、数日間たんぱく質を過剰に摂取しても、すぐに体調が悪化したり、何か問題が生じることはありません。

 

ただし、長期間にわたるたんぱく質の過剰摂取は、腸内環境が悪化し、大腸がんのリスクが高くなるという研究結果が報告されています

 

腸内細菌叢のバランスが崩れる

たんぱく質を過剰に摂取すると、腸内細菌叢のバランスが崩れてしまう可能性があります。

 

具体的には、以下のような影響が考えられます。

  • 特定の腸内細菌の数が過剰に増殖し、他の菌の働きを阻害する
  • 腸内環境が乱れ、便秘や下痢などの症状を引き起こす
  • 悪玉菌が増殖し、炎症性腸疾患などのリスクを高める

 

腸内バリアの損傷

たんぱく質を過剰に摂取すると、「腸内バリア」が傷つき、有害物質が体内に侵入しやすくなる恐れがあります。

 

腸内バリアは、腸内環境と体内の環境を隔てる重要な役割を果たしています。このバリアが損傷すると、炎症やアレルギーなどの原因となる物質が体内に侵入し、様々な病気を引き起こす可能性があります。

 

さらに、たんぱく質の過剰摂取は、腸内で炎症を引き起こすリスクを高め、炎症性腸疾患や自己免疫疾患などのリスクを増加させる可能性があります。

 

  腸内環境の悪化で栄養不足にも

 

 

カルシウムや鉄などのミネラル吸収を阻害する

 

たんぱく質とミネラルは、腸内での吸収に同じ受容体を利用することがあり、過剰なたんぱく質が腸内に存在すると、これらの受容体がミネラルと結合するのを妨げ、吸収を阻害する可能性があります。

 

また、たんぱく質の代謝過程で体内に酸が生成されます。

 

酸性状態になると、身体は中性に戻そうとしてカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを利用するため、体内でのミネラルの必要量が増加します。長期的に酸性状態が続くと体内のミネラルバランスが乱れる可能性があります。

 

特に、カルシウムは体内の酸を中和するために必要であり、持続的な酸性状態は骨からカルシウムが溶かされるリスクを伴います。

 

骨や歯からカルシウムが溶解され、骨粗鬆症などのリスクが高まる可能性があります。

 

  尿路結石のリスク

 

近年、研究により、たんぱく質の摂取量と尿路結石のリスクとの間に関連性があることが示唆されています。

 

たんぱく質を多く摂取すると、尿中のカルシウムや尿酸などの物質濃度が上がり、それが尿路結石の形成につながる可能性があると考えられています。

 

尿路結石は、尿中のカルシウム、尿酸、オキサレートなどの物質が結晶化してできるものです。

 

研究によると、たんぱく質を多く摂取すると、これらの物質の尿濃度が上昇することがわかっています。

 

これが、尿路結石のリスクを高める要因の一つと考えられています。

 

たんぱく質の摂取量だけでなく、食事全体の内容も尿路結石のリスクに影響を与えます。

 

特に、動物性たんぱく質、加工肉、砂糖入り飲料の過剰摂取は、尿路結石のリスクを高めることが報告されています。

 

  まとめ

 

タンパク質は筋肉や美容、健康にとってとても大切な栄養素ですが、摂り過ぎには注意が必要です。

 

普段の食事からはタンパク質をとる分には、過剰摂取にはなりにくいですが、プロテインなどの補助食品をとるときは注意が必要です。

 

タンパク質は「体重1㎏あたり2g」を上限目安とし、適切な量を摂取することが大切です。

 

自分に必要な量を知って、バランスよく摂取しましょう!