『貧乏の神様』柳美里   (エッセイ・芥川賞作家) | 夜間飛行のオススメ読書

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芥川賞作家の柳美里さんが、「芥川賞をとってお金をもっても、お世話になった方のガン闘病に多額のお金を使ったり、雑誌の仕事の給料の未払いがあったりして、やはり貧乏だ」というエッセイ。

雑誌の給料未払いについては、かなり困られているみたいで、実際に雑誌社に送ったメールを複数公開していました。

「出版社の不況と言われている時代ですし、資金繰りが苦しいのかな?」と、雑誌社に少し同情もしましたが、柳美里さんの水道が止められるかどうかの瀬戸際の貧乏だったら、柳美里さんの生活もあるので困りますね。

 

柳美里さんは、ご自分が辛い目にあったことを文学にして売り出している作風だから、お笑い芸人が「絶対に押すなよ」と言いつつ押してほしがっているように、柳美里さんも「辛い目にあい、辛い」と言いながら、本当は辛い目にあって文学のネタがほしいのかな?、と穿ってみてしまいます。

 

息子さんとの登山で、山を甘く見て遭難しかかった話は、息子さんの命を握っているのは柳美里さんなので、もっとちゃんとしてほしかったです。他の登山者と話して、「この時間だと目的地に着いて戻ってくるのは無理」と言われているのに、甘く見て、強行してしまうのは、いただけないです。無事に育ってくれていたら良いなあと、母心です。