【進捗の実績が工程から絶望的なまでに遅れるワケとは】 | 土木技術者(もどき?)のブレイクタイム

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土木技術者(的な)人物のブログです。ブレイクタイムを過ごしているような気分で書いています。個人でも仕事ができるように、ただいま準備中(やるかどうかはまだ未定)


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土木工事では、いつまでに何を造らなければならないか、を工程表にして表す。
土木や建築はもちろん、様々なプロジェクトでも同じだろう。計画をバーチャートとかガントチャートと呼ばれる工程表を作って、目的を言語化・図化する。

その方が伝わりやすいしわかりやすい。今どんな状況か、さえわかれば、工程表と照らし合わせて進んでいる/遅れているのが明らかになる。そして、これからどんな手を打てばいいか、などなどを検討しながらプロジェクトを管理していく。

にも関わらず、プロジェクトは遅れることがほとんどだ。ときには、もうどうやっても間に合わない、リカバリー不可能な事態になることも珍しくない。たとえどんなに突貫でやっても、土日祝の昼夜慣行で進めても、もう間に合わないなんてこともある。

土木工事では、しばしば目にする光景だ。

原因は様々あるのだが、根本的な理由がある。『目的を宣言しない、約束しない』のがその理由だ。


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ある道路工事でも、そんな光景を目にしたことがある。規模が大きめで、複数の工種が含まれている工事だった。まず土工事から始まり、壁などの構造物、地下に埋める用排水工、そして道路の土台となる路体や路床といわれる盛土をして表面排水や舗装となる。

順番は工事によって前後したり異なることがあるが、概ねこんな順番。

土工事がほぼ終わり、用排水工の工事をやっている段階で、それは判明した。進捗状況を確認した監理技術者が工事を指揮している主任技術者にこう言っているのが聞こえた。

「これじゃ、工期に間に合わないですよ。絶望的なまでの進捗です。出来高が上がってません。これでは供用開始に絶対間に合いません。昼夜通しでやっても間に合うかどうか・・・。」

主任技術者は
「そうなんですよね・・・」と言ったきり。リカバリー案を出すわけでもなく、何かしらの対策を提示するような様子は無い。

監理技術者は
「どうすれば間に合うか、工程表にしてもらえませんか?何か案ありますか?」

主任技術者は
「今は桝やってまして、菅の材料は来週搬入があります。業者の体制は、来月から班をもう一つ増やして・・・」と返答。

監理技術者は
「今それを聞いてるんじゃなくて、どうすればいいか工程表にして欲しいんです。スケジュールを再度確認したいんです」

主任技術者は
「ですから、今桝をやってますから・・・」

この周回が何周か続いた後、とうとう折れたのか主任技術者は
「工程表作ります」
と、一応収束した。

私が主任技術者に直接聞いたわけではないので推測になるが、主任技術者は「いつまでに何をやるか」を言いたくなかったのではないか。

そういえば、この現場に限らず、絶望的なまでに遅れているところでは、どこも
いつまでに、何を、どんな基準で、作りこむか」
を、宣言していなかった。約束もしていなかった。半ば当てずっぽうに工程表を書いて、それを発注者に提示していたのである。

もちろん、期限(工期)は設定されている。しかし、「延長依頼して、工期延長してもらえばいいじゃん!」と、お気楽に捉えている人がかなりいる。(ゼネコンの都合で)一度二度延長しても、何かしら理由つけてまた延長してもらえばいいんじゃね?くらいに捉えているのだ。

ゴールマウスをズラすのである。


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いつまでに、何を、どんな基準で、作りこむか。
これを宣言しない、約束しない。だから絶望的なまでに遅れが生まれる。

いつまでにやる!と言ってないし約束してないから、どんなスピードでやればいいか、イメージをしない。外注先・下請け先の言いなり、やりたい放題で現場を進める。

いつまでに何をやる、をイメージしないから中身が分解できない。具体的な作業内容がわからない、指示できない。

そして、期限が近づいたらアタフタする。どうすんだ!?どうすんだ!?となる。

似たような光景、誰もが見たことがあるだろう。

そう、夏休みの宿題だ。

予定たてて早めに取りかかればいいものを、最終盤になるまで何にもやらず、最終日付近になって慌て出す、あのザマと同じ。

一度もしくは何度も痛い目を味わっているクセに、同じことを繰り返してしまっているのだ。


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なぜ工程表が必要なのかというと、いつまでに何をやるか、どうなってることが必要か、を言語化・図化し、関係者に言い聞かせ理解させる必要があるからである。絶望的なまでに遅れるのを防ぐためである。

プロジェクトは、遅れるのがデフォルト。どうにもならないほどに遅れるのは、管理をしていないからなのだ。

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