【技術勝負からマネジメント勝負へ】 | 土木技術者(もどき?)のブレイクタイム

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土木技術者(的な)人物のブログです。ブレイクタイムを過ごしているような気分で書いています。個人でも仕事ができるように、ただいま準備中(やるかどうかはまだ未定)

ブリをしゃぶりました。

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技術勝負からマネジメントの勝負へと、建設業界が変わっているような空気を味わっている。いくら高い技術力があっても、マネジメントが疎かでは事業や工事の進捗がおぼつかないからだ。マネジメントが疎かだと、工程がどんどん遅れていく。
 
どの工事現場でも、プロジェクトマネージャーたる現場代理人もしくは監理技術者がいる。監理技術者が専任で現場に常駐している場合は、プロジェクトマネージャーは監理技術者である。
 
現場を動かす際には、監理技術者から主任技術者など各担当者へ全体の工程計画が示され、それをもとに各担当者が詳細な施工計画を立案し、計画書にまとめる。それを監理技術者が吟味して、不具合がある場合は修正や再検討を指示、担当者だけで解決できない場合は監理技術者(現場代理人が加わることも多い)を交えて検討することとなる。
 
監理技術者から担当者へ工程計画が下りる際に起こりがちなのが、
「工事の種類や内容が伝わらない」
ことだ。
 
たとえば道路工事を行う場合、ざっくりとした表現で恐縮だが土を掘る工事や土を盛る工事、側溝などの水路や桝を設置する工事(こちらでも土を掘る工事がある)、舗装をする工事がある。そこに擁壁を造ることもあればトンネル(ボックスカルバートなど)を設置する工事が必要となることもある。

土を盛るだけでも、いくつかの種類の工事がある。単純に盛っていくだけの工事があれば、材料がより良質な土を使わなければならない工事、発泡スチロールや薬剤を混ぜて盛る工事、補強材を入れながら盛る工事など、様々ある。
 
全体工程ではそれらの詳細な内容は伝わりにくい(工種はもちろん示す)のだが、本来なら監理技術者から口頭でもいいから詳細な内容を、全体工程を明らかにする段階で示すことで、担当者は「どんな工事が必要なのか」を知ることができる。
 
経験値が高い技術者ならおおまかな工程を示された時点でイメージが湧くが、経験値が低い人はそうはいかない。だからこそ、経験値の低い若手が少しでもイメージできるように、プロジェクトマネージャーたる監理技術者は内容を分解して伝える必要がある。ドラッカーの言う「分析」にあたる。
 
ところが内容を分解することを怠り、おおまかな内容を(ときに曖昧なままで)部下たちに伝える監理技術者がとても増えている。作業手順や必要な資機材などを示さず、管理基準は曖昧、さらに期限も示さない。しっかりと伝えることをせず、「あとは言わなくてもわかるだろ」と自分基準だけで済まそうとしているのだ。
 
マネジメントが疎かだな、と感じたのでは私だけではないはずである(と思いたい・・・)。
 
 
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いくら高い技術力を持っていようと、どれほど素晴らしい現場力を発揮しようと、マネジメントが疎かでは工事は思うように進まない。顧客が求めているモノは造られず、設置する場所を間違える、無駄に資機材を発注する、計画工程をイメージせず実績工程がどんどん遅れていく・・・といったことが次から次へと起こる。それらへの対処に時間と人手がとられ、ますます現場が思うように進まなくなっていく。
 
この悪循環にハマってしまうと、リカバリーするのは難儀だ。
 
人手を増やす必要がある。それも現場のマネジメントが優れている人や問題解決が得意な人を揃えてリカバリーに専念してもらうことが求められるが、そうはなかなかいかないもの。そういった人はどの現場も手放そうとしないからだ(当たりまえか)。
 
もちろん、担当者をはじめとして監理技術者や現場代理人はどうにかリカバリーしようと苦闘するのだが、蟻地獄にハマってしまったかのようにもがけばもがくだけ事態がおかしな方向へといってしまうことも珍しくないのだ。
 
 
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マネジメントは、成果を上げるための手段である。どう人を動かし、資機材を動かし、金を動かして、目的物を造るのか、を示す手段である。
 
昨今、いろいろなマネジメント理論が書籍などで紹介されている。しかし、人が動くのだから理論通りにはいかない。人間系の問題が必ずついて回るのだ。

担当者がどんな人柄なのか、彼ら彼女らの強みは何か、をプロジェクトマネージャーたる監理技術者ができるだけ把握しておくことで、現場運営はスムーズになりやすい。以前いた私鉄工事の現場が、まさにそうだった。みんなが強みを持ち寄る形になっていた。だから、楽しく働かせてもらえたのだろう。

強みに焦点を当てることもマネジメントの一つ。

技術力が高いのはとても大事だが、マネジメントも同じくらい大切である。
 

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