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年末年始、いろいろなブログを読み漁り、いくつかの本を集中して読んでいる。その中で、ふと気になる記事を見つけた。
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これ、建設業にも言えることだ。
人手不足なので給料は多少上がっているとされているが、多くの土木技術者は給料が上がっている実感はないだろう。株式を上場している会社の多くは、給料が実際に上がっている。派遣の施工管理技士でも、年収が1000万円を超える人が出ている。
しかし、それはほんの一部である。特に地方の中小建設会社や中小設計会社の技術者は、給料が以前よりも上がっている実感は小さいのではないか。
なぜかというと、地方の中小建設会社に勤務する技術者は、「肉体労働」を兼ねているからだ。知識労働と肉体労働を兼務する状況に置かれている人が多いのだ。
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大手の建設会社の下請けに、地方の中小建設会社が入ることがある。一次下請けで入るのだが、以前と変わっているのが、
「現場で体を動かすだけでなく、現場管理や施工計画立案も要求される」
ようになっている点である。直近で赴任したいくつかの現場でも、その光景を見た。
ほんの５・６年前は、元請けの建設会社が施工計画を立案し、施工管理を行う。下請け会社は元請け会社の社員の指示のもと現場の管理を行う。この形が当たり前だった。
しかし、ここ２・３年ほどは、施工計画も施工管理も現場管理も下請け会社が行うことが多くなっている。そのうえ重機を動かしたり型枠や鉄筋を組み立てたりスコップで掘ったり、という肉体労働もやっている。
肉体労働でやることが少なくなっているわけではなく、さらに知識労働も行っているのだ。
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前述したブログにも掲載されているが、人手不足に陥ってる業界として
「医療・福祉サービス」や「宿泊・飲食サービス」などの低賃金で労働集約な仕事をする業界とされている。その中に建設業もあるのだが、まさに労働集約な仕事である。
しかも建設業は（他産業もそうかもしれないが）、人に対する投資を惜しむ人がとても多い。下請け会社に対し「人件費の単価が高すぎるよ」と言う現場代理人はかなりいる。それでいて大きな責任は負わせる。
人への投資＝コスト
なのだ。
とはいえ、技術者や作業員に対する単価は国などの発注機関が定めており、不当に下回ることは許されない。人への投資は適切に行うように求めているのだが、「なんでそんなんしなけりゃならないの？」な姿勢なのだ。
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さらに欠けているのが、
「市場の声を聴く姿勢」
である。
何を求められているのか。
なぜ、それを造るのか。
発注者の意向の背景は何か。
を理解するのはもちろんなのだが、
「彼らの心の声は何か」
を聞き取る姿勢がかなり求められているのだ。
市場にいる人に直に聞いてもいいが、少しネットを徘徊するだけでも市場の声を聴くことはできる。どこに予算が振り向けられているのか、どんな傾向があるのか、くらいはネットで調べるだけでわかるのだ。入札情報を調べるだけでも傾向が見える。今後どの分野の仕事が増えそうか、仮説を立てることが可能である。
土木技術者にも、市場の声を聴く必要性が高まっている。市場の声を聴き、何が必要かを知ったうえで工事に取り組むことで、価値ある工事になるからだ。価値ある工事になるとは、価値ある公共施設を造ることであり、必要とされている施設を造ることである。
市場の声を聴かずして造ることは、技術者の自己満足にしかならない。ただのマスターベーションである。
市場から、世の中から、必要とされていることをやり繰り返す。ここから給料や報酬アップへの道が造られるのではないだろうか。
肉体労働だけでは道が造られることはないのである。
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