【報告】第11回『聾史』史料輪読会 | 近畿聾史研究グループ

近畿聾史研究グループ

主として近畿地区(大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫)に居住する、聾唖者の歴史に関心のある人たちの集まりで、ほとんどが聾(聴覚障害者)である。

 2022(令和4)年7月3日(日)、大阪府立中央図書館で聾史史料輪読会が開かれた。参加者は当グループ以外の人もいて、計13名であった。また、この日ははじめて試験的にZoomでの勉強会も行われた。

 今回読んだのは、まず、『島根県私立教育界雑誌』204号(1903年11月10日)掲載の、福田ヨシによる「盲唖教育談」、同じ雑誌の298号(1913年7月20日)掲載の追悼文「松江盲唖学校主事たりし福田ヨシ女史を憶ふ」である。雑誌掲載の文章であるが福田ヨシにかかわる一次史料と言える。ただ、実際はきっちり読み込むというよりも、福田ヨシの事跡を追うことに時間を費やした印象がある。

午後は、『大坂日報』1880(明治13)年7月21日付紙面の、明治天皇が京都を訪問、京都盲唖院の古河太四郎をはじめ盲唖生徒に公開授業を行った記事を読んだ。

ほか、福島県の岩谷巌という人物による唖生教諭報告書の控えという手書きの史料が紹介された。くずし字はほとんどないので、読みやすかったが、逐語的な読みにはいたらなかった。それでも、江戸時代の寺子屋から引き継いだ啞生教授法が偶然にも古河太四郎にも通じる可能性を見出せることができた。全体としては充実した時間となった。

 

午前の部

 

午後の部