気になる言葉 <第838回> | MIKEのブログ

気になる言葉 <第838回>

明けましておめでとうございます。

    今年もよろしくお願いします。

 

「気になる言葉」の配信も、現役時代からの配信を合わせると約18年になります。

まことにもって、時が経つのは速いものだと実感します。

このように続けられているのは、お読み下さる皆様のお蔭、と感謝しかありません。

できれば、これからもよろしくお付き合い下されば、、と思っています。

 

正月になると、いつも微かに思い出す金子みすゞの『夢売り』という詩があります。

 

年のはじめに

夢売りは、

よい初夢を

売りにくる。

 

たからの船に

山のよう、

よい初夢を

積んでくる。

 

そしてやさしい

夢売りは、

夢の買えない

うら町の、

さびしい子等(ら)の

ところへも、

だまって夢を

おいてゆく。

 

今週は、<日本の七十二侯>で言えば、第二十三節気の『小寒(しょうかん)』になります。

この日からいわゆる「寒の入り」となります。これから三十日間が「寒の内」になるわけで、一年で一番寒い時季を覚悟しなければなりません。

こんな寒いとき、しかもお正月に「能登半島地震」に被災された方たちのことを思うと本当に心が痛みます。あらためて日本は自然災害の多い国だと思わざるを得ません。

 

今年のお正月は、いつもの年のように初日の出を見ながらの初朝散歩をしました。途中、多くの人たちが初日の出を拝む姿を見かけました。

<写真1>

 

初日まつ心しづかにたかぶりぬ (富安風生)

一塊の雲輝かせ初日の出 (西村舟津)

 

また、村社には鳥居のそばに門松が立てられていました。この辺りの神社では熱田神宮、津島神社に関係する氏神さまが祭られていました。

門松というのは、もともと文字通り、本来は門に立てる松のことで、歳神様をお迎えするとき「わが家はここですよ」という目印のためのものですね。私の家の玄関ドアの上にもミニチュアの門松がかけてあります。

「今年も神さま、素通りしないでね」と。

<写真2>

 

神麓や門松立てば風青し (鈴鹿仁)

門松の松を正して四日かな (鷹羽狩行)

 

 

今年の最初の<気になる言葉>は、松浦弥太郎さんの「人の欠点はいっさい気にしない方がいい」という言葉です。

仕事でもプライベートでも、付き合っていく中で相手の嫌なところが目についたり鼻についたりすることがありますよね。しかし、欠点というのはなかなか直らないし、簡単には変えられないものです。松浦弥太郎さんも言っているように、私も「いっそ達観したほうがいい」とすら思っています。

どんな人にも欠点はありますが、良いところも必ずあります。どうせなら、この良いところにだけ注目するよう努めることです。直らない欠点にこだわっていたら、肝心の仕事が進みませんから。

そして、それを繰り返しているうちに、欠点は自然と隠れていくものです。

 

 

<旅スケッチ>は、今回は年末の忙しさでまだ描いていませんので、二年ほど前に描いた初日の中の出港、という絵を載せておきます。私の好きな絵の一つです。

 

 

正月の日の出の中を、沖に向けて小舟が出てゆきます。今年の初漁でしょうか。湾一帯が鮮やかなオレンジ色に染まっています。

オレンジ色を基調にして静かな湾を俯瞰するような構図の絵にしてみました。彩色の方は透明水彩とパステルを使ってみました。透明感を感じるような雰囲気を狙ったものです。

この絵のように、今から向かう今年こそ良い年でありますように、と。

浜染めて春の日の出と船出の火 (大野林火)

空の秋君が船出を朝焼けて (鈴木花蓑)

 

 

<朝の散歩道>の一枚目は、散歩道の脇に満開に咲いている紅白の山茶花の様子です。

寒さの厳しい冬にあっても華やかな花を咲かせる山茶花です。晩秋の頃から花をつけ正月を挟んで咲いては散り、咲いては散り、を繰り返しながら春を待ちます。

その健気な姿に「ひたむきさ」とか「困難に打ち勝つ」という花言葉が付けられています。

 

山茶花の明るき日和たまはりぬ (稲畑汀子)

山茶花を万燈のごと咲かせをり (松崎運之助)

山茶花や風の寄り道廻り道 (市川英一)

 

二枚目は、黄実千両(キミノセンリョウ)が黄色い実をつけた様子です。

花の少ない冬に赤く美しい果実をつける千両(センリョウ)や万両(マンリョウ)が知られていますが、千両には黄実の黄実千両(キミノセンリョウ)もあります。

黄色もなかなかいいものですよ。葉に光沢があり、葉縁に鋸歯があります。

庭木の寄せ植えや生け花などによく使われるそうです。

 

ここまでの道のり思ふ実千両 (桑垣信子)

赤と黄に雨かがやかす実千両 (和田政子)

母の忌の墓に実生の黄千両 (松崎鉄之介)

 

 

 

1.「コミュニケーションに関しては、人の欠点はいっさい気にしない方がいい」

  ー松浦弥太郎(暮らしの手帖編集長、エッセイスト)ー

 

生きていく以上コミュニケーションはとても大切なことです。しかし、中にはうまくコミュニケーションできない苦手な相手もいますよね。そんなときに気をつけたいことをエッセイストの松浦弥太郎さんが、分かりやすく本の中に語っているのを目にしました。

 

コミュニケーションに関して僕が常々思うのは、「人の欠点は、いっさい気にしないほうがいい」ということ。仕事でもプライベートでも、付き合っていく中で相手の嫌なところ

が目についたり鼻についたりすることがあります。

しかし、欠点というのは絶対に直らないし、変えられないものです。僕は「いっそ達観したほうがいい」とすら思っています。

「仕事なのだから、はっきり注意して欠点を治してあげるべきだ」という意見もあるかもしれませんが、その欠点が性格に起因するものであれば難しいでしょう。もしあなたの職場に欠点が気になってたまらない人がいたら、いいところにだけ注目するよう努めることです。直らない欠点にこだわっていたら、肝心の仕事が進みませんから。

一方、どんな人にも欠点はありますが、いいところも必ずあります。相手のいいところを見つけ、認め、口に出してほめ、伸ばしてあげる。それを繰り返しているうちに、欠点は自然と隠れていくものです。

 

たしかに、この人とは「反りが合わない」という場合がありますよね。そうした人とは何かと意見が対立し、ぶつかることもあるものです。

とくに仕事上では、見解の相違というのがたくさんありますからね。しかし、そんなときは決して反論しないこと。「ちょっと違う」と思っても、呑み込んでしまうことも必要なのです。反論に反論しても、何ひとつ生まれませんし、コミュニケーションでは「顔を立てる」「花を持たせる」ことも大切なことなのです。

 

若い頃は誰でも相手をねじ伏せて自分の意見を通そうとしたくなるものです。しかし、例え相手を力でねじ伏せたとしても、そこには成功の種はないと思うのです。かえって「面

従腹背」状態になってしまうのではないでしょうか。

もう一つ面白い指摘がありました。努力してもどうしても苦手な相手がいますよね。

そんな時の対応としては、「挨拶が一番」というのです。

くじけずに丁寧に続ければ、必ず関係が変わってくるというのです。それが人情というものですし、「相手の顔を立てる」ことにもなるからです。 

 

それではまた。