三重県伊勢市二見浦にある「夫婦岩」です。
夫婦岩は沖合700mに沈む興玉神石と日の出を拝す鳥居の役割を果たしていると言われ、日の出の名所としても有名です。
男岩は高さ9m、女岩は高さ4mあり、夫婦岩を結ぶ大注連縄は1本の長さは35mで、注連縄は男岩に16m、女岩に10m張られ、その間は9mだそうです。
毎年5月5日、9月5日、12月中旬に大注連縄張神事が行われます。
夫婦岩の隣の岩が昔は烏帽子岩と呼ばれていましたが、カエル(親子のカエル)に似てきたことから、辺りには神の使いとしてのカエルの像が多い。
穏かな伊勢の海
二見興玉神社(拝 殿)
伊勢の海の 沖つ白波 花にもが
包みて妹が 家づとにせむ
安貴王(万葉集)巻3-306
<意味>
伊勢の海の沖にたつ白波が、花だったらなぁ。
包んで持ち帰り、妻へのお土産にするのに。
養老2年 (718)2月から3月にかけて元正天皇の美濃行幸があり、伊勢国を通った時、随行した作者が白く波立つ海を見て詠んだ。
周囲を山に囲まれた大和の国から出てきて、目の前に広がる伊勢の海に立つ白い波を見て心が高揚し、この美しい光景を妻にも見せてやりたいと思うのですが、とてもできない事なので、せめて包んで持ち帰れるような花であったらと残念がっています。
作者は天智天皇の末裔で、志貴皇子の孫と言われています(他説では川島皇子の孫)
父の身分が低い小鹿と言う女性と身分差を超えての結婚をしますが、その後、采女(うねめ)あがりの人妻と密通事件を起こしてしまい、当然のように采女の夫であった藤原麻呂に対する不敬罪で官職を奪われてしまいました。
昔も今も人生いろいろですね。