実は実践的な時計の内部を・・・ と思っていたんですけど(練習がてらメカウォッチで)
なかなかメカウォッチのジャンクが見つからなかった (;^_^A
そうこうしているうちに愛用の時計のひとつが止まったんですよ
忘れられない腕時計 (大好きな腕時計 改題) 2010-02-14 (別窓で開きます)
まぁ電池切れなんですけどね
で、ダイバーズの場合は普通メーカー送りにしてオーバーホールを兼ねて
ISO準拠の検査を行ってもらうのが普通なんですけど
過去に使っていたのはセイコー(潜水士時代はプロフ画の600m)がメインで1度だけシチズンも使い
いずれも同じ扱いだったのは日本製だからなんでしょうね
と言うのはダイバーズウォッチのISO化を提言したのは日本なんですよね
当時の諏訪セイコー舎で特殊時計を主に手掛けていた
”徳永 幾男(とくなが いくお)” 氏の働き掛けでダイバーズウォッチのISO規格ができたんですね
で、このダイバーズ(?)はダイヤルにこう書いてあります
AIR DIVER Ⅱ
WATER RESISTANT
10ATM
ALL STAINRESS STEEL
この4行の意味は
空気潜水を意味する ”AIR DIVER” に Ⅱ が付いているのでダイバーズの規格の
”AIR DIVER” と ”PROFESSIONAL DIVER” ではなくてシリーズかモデル名と判断できる
飛ばして4行目はケースの素材ですねステンレスって事ですけど、決定的なのは3・4行目
”WATER RESISTANT 10ATM(ATM=大気圧と言う圧力単位)” って事は10大気圧防水って意味だけど
ISO規格では第一項目に「少なくとも100mの防水能力を有する」ってあるんだ
時計の防水性能で水深表示(300mとか1000ft)がされないで、相当圧で表示されているって言う事は
10ATM(他にBARとかPa(pascal)がある)の水深100mに相当する空気中で水を掛ける事への防水、となる
水に浸って活動するダイビングで考えるとあり得ない
腕時計の防水のランクは
防水無し ⇒ 日常防水 ⇒ スポーツ防水 ⇒ 空気潜水用防水 ⇒ 飽和潜水用防水になる
それぞれの検査内容はメーカーで若干違うと思いますが
防水なし、無検査・日常防水、3BARでの乾式防水(リーク)検査機+抜取浸水検査(10cmの浸水で表示圧まで加圧)
スポーツ防水、5BARでの乾式防水(リーク)検査機+抜取浸水検査(10cmの浸水で表示圧まで加圧)
ダイバーズの場合はISOでの検査規格もあって全数に施され
空気潜水、5BARリーク+10cmの浸水で表示水深の1.25倍相当圧に2時間加圧後6時間以内に大気圧に減圧
飽和潜水、5BARリーク+ヘリウムガスに満たされた10cmの浸水で表示水深の1.25倍相当圧に
24時間加圧後1分以内に大気圧に減圧
(他にも検査工程はあるけど、防水に関してはこれが最低限)
オーバーホール時も同じ検査をするはずなのだが
購入時に販売店に電池交換はどうするか聞いた時『当店で出来ます』と答えたのでがっかりした
(どう考えてもそんな設備は無さそうなので、無検査と確信した)
念のため信頼しているメーカーとして、愛用のセイコーのネイビーボーイズを見てみると
㊧ダイヤルには空気潜水用を意味する ”DIVER'S” と水深がメートルで表示
㊨裏蓋には同様に空気潜水用を意味する ”SCUBA DIVER'S” の刻印(写真では上方 (;^_^A ちと見ずらいけど)
どうせダイバーズとして信頼できないなら
自分でやっちゃえっ! ってわけです (;^_^A マネしないでね
まずはピンセットかバネ棒外しで片側で良いのでブレス(メタルバンド)を外す
皮やウレタンバンドと違ってブレスは融通が利かず中々嵌らない
6月の盛岡セイコーでの機械式時計セミナーの2日目の初級コースを
『初級コースでは、若干難しくなるメタルバンドで、皮と比べると組みつけが少し難易度が高い』
2011年06月のブログ (別窓で開きます)
と書いたのは、この理由から
スクリューバックオープナーがないのでラジペンで裏蓋を回す
(キズになりますから止めましょうね (;^_^A )
裏蓋が緩んだら手で回して外します
開けてビックリだ ヽ((◎д◎ ))ゝ
なにが驚いたかって、昔作っていたCITIZEN Cal#20系の兄弟機種のCal#21系が入ってる・・・ (;^_^A 懐かしい
TECHNOSになぜCITIZENが入っているかって?
別に不思議じゃないしバッタモンや偽物じゃないんだよね
CITIZENはエボーシュ供給もしているんだよね
時計業界は各パーツから完製品までを一貫生産する事は意外と少なくて
部品や未完成ムーブメントで供給する事をエボーシュ(ebauche)と呼ぶんだ
で、電池交換に関連する(または注意する)各部名称はこんな感じだ
見やすいようにスペーサーを外しました
①”電池押さえ板” 電池と電子回路全体を押さえるプラス側接点です。 コイル側のアームが電池押さえになっていますが
1個だけ大きなネジは胴付きネジで締め付けても0.3mmくらい浮いていてアームは簡単に開きますが変形に注意
②”コイル” オレンジ色の部品でステップモーターの#RT(ローター)の回転に必要な地場を作ります。
巻いてある銅線の太さは髪の毛の1/100以下と極細なので指でこすっても断線してしまします。
(写真のコイルは見えている側にコーティングしてありますが裏面にはないので断線しやすいので注意)
③”封止管(水晶振動子封止管)” この中に水晶発振のための水晶が密閉されていますが衝撃で破損しやすいので注意
④”オシドリ” 切替機構のスイッチの役目とリューズ巻真のストッパーを兼ねる部品で
ボスから離れた位置にストッパー部を浮かせる位置のパンチマークがあります。
⑤”輪列受け” 機械式から受け継いでいるモジュールでギア比で1つの回転を時・分・秒に変えるモジュール。
全部で4ヶ所ある窪みはホゾと呼び、歯車の真を立てて給油ヶ所にもなりますのでうっかり触ると油が手に付き、
機械体は油切れになったり周囲が汚れて止まりの原因にもなります。
”TECHNOS TAM629 の電池交換 ②” につづく
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