「ガロ」を今振り返る | ojigimajinの音楽大好き!

ojigimajinの音楽大好き!

ギター、ベース、キーボードを演奏し、作詩・作曲・編曲そして歌も歌います。 ネコ好きでアゲハ蝶の飼育が趣味です。

 

 今や私も高齢者となっているが、私の人生を振り返って見ると 音楽無くしては語れない!・・・ような気がする(笑)。

 

まあ 幼少の頃~中学生くらいまでは 音楽にはそれほど興味もなく、(という事は音楽の才能なんてものは全く無かったわけだ)

ただただ 虫を追いかけているか、漫画を描いているか?の鼻たれ小僧だったのであるな。

 

 しかし この「ガロ」のサウンドを耳にして人生は180度変わった!と言っても過言ではないだろう!

 

いち早く音楽を良く聴きだしたのは1歳上の姉で、 神田共立講堂などに足しげく通っては色んなグループを聴いていたようだった。 そんなある時 当時良くあったそうだが 会場の席番号で なにやら プレゼント!が当たって それがこのガロのデビューシングル「たんぽぽ」だったのだ。

 そんなわけで うちにはけっこうまともなステレオセットはもうあって、姉がそれを聴いていたのだが、A面の「たんぽぽ」

はかなり静かな曲なので、ステレオのあった部屋からはあまり音が漏れてこず、自分の耳にも届いていなかったのだが、

B面の「一人で行くさ」は軽快なドラムスにのって 爽やかなコーラスが(それまで3声コーラスと言うのはあまり聴いたことが無かったので)私の心をわしづかみしたのだ! ショックと言っていい! それまで音楽と言ったら クラシックか歌謡曲くらいしか聴いたことが無かったところに、 アコギにベースとドラムだけの伴奏に カッコイイ 3声コーラスが何とも言えない 広がりと爽やかさで その軽快なビートに乗って 響いて来たのだ! もうこの1曲で打ちのめされてしまったのだ!

 

 それまで 音楽には何も興味がなかった少年が その後の人生を変えてしまう出来事がこれだったのだ! 当時ガロはCS&Nのコピーバンドとして その方面では有名だったのだが、ほとんどオリジナルが無かったにもかかわらず ファーストアルバムには

かなり質の高いオリジナル作品が並んでいる。と言うかその後のアルバム全ての中でも1番優れたオリジナル曲の多いアルバムと言って良い。

 

 チューリップはビートルズ、オフコースはPPM, そしてこのガロもCS&Nからの影響が強いが 私はそちらの方へは行かなかった。もちろん 「4ウェイストリート」やヤングのアルバムも聴いてはいたが、この本家?にはまる事はなかった。

 ガロは どちらかと言えば CSN&Yと言うよりも スティルスとクロスビーの二人の影響が強いのではないか?と思う。

ヤングのあの田舎臭いフォーキーな感じはあまりガロはしない。

 

 自分なりに何故「ガロ」にはまったのか? 何故ガロのコーラスがグッと来たのか? クロスビーとナッシュをお手本にしたのは正解だ。 マークとトミーの声質は高くてソフトで似ている為に良くハモるのだが、 ガロのハモリが「ガロ」してる?のは最低音にボーカル(大野真澄)のエッジのきいた声質があったからだと私は思っている。

 

 マークとトミーの作曲能力もかなりあり、東海林修氏のアレンジのセンスも忘れてはならない。

そして やはりガロと言えば アコギのサウンドとテクニックが魅力のグループであることは間違いない。 オープンコードを多用し、時には変則チューニングで より広がりのあるサウンドを作った。それに一役買ったのがマーチンのサウンドだ!

 

 CSN&YがマーチンD-45を使っていたのが大きかったのだろうが、まさにガロの音楽にはマーチンのギターがドはまりだ!

 

 ガロは後半売れ線のアイドルグループになっていったが、 本人たちも納得していなかったと見えて 後に軌道修正したかのようなオリジナルを発表したりもしたが もう手遅れだったのか 76年には解散を決めている。

 

 ファーストアルバムでガロファンになり、その後の解散までの紆余曲折を思い返してみると 何かかなり色々安定せずに もがき苦しんで来た感がある。 オフコースのような、レコード会社に職業作家による曲(オリジナルでない)を作らされても、けして ライブでやらない、などの頑固な1本筋の通った姿勢がなく、 色んな声に振り回されたようにも感じる。

 

 しかし これだけは言える。 未だに「ガロ」のファンは多く、 ファンでなくとも 後の渋谷系など 再評価されることも多く、 記憶にも残る かなりのスーパーグループだった事は間違いない。 玉置浩二などは 「ガロ」に会いたくて東京進出したようなものだ!と言った旨語っているし、 ドリカムの中村氏、鈴木雅之氏などなど ガロに夢中だったプロミュージシャンは多い。