40歳からの心理学 香山リカ著 | kingstone page(旧)

40歳からの心理学 香山リカ著

 図書館で借りて来ました。

40歳からの心理学/香山 リカ

¥1,365
Amazon.co.jp

 図書館で返却本の中にあってパラパラめくったらちょっと面白いかなと思って借りて来ました。

 30代~40代の女性向きに書いてあるのかな。ってか2005年頃にあちこちに書かれた短い文を集めたもの。香山さんの本は以前にも読んだことがあるのですが、あまり印象に残ってません。でもこの本は最初から軽いものを集めてると考えて読めば、結構具体的な方法も書いてあっていい感じかな。で、臨床もやってはるというだけあって「現実的」と思えます。

 章立ては

第1章 リアル・シングルライフ
第2章 結婚しないのか?結婚できないのか?
第3章 人生、そのときどきでこれしかないという生き方がある
第4章 クリスマス難民症候群
第5章 心の難民にならなりために

 ちょっと面白かったデータ。2001年の某総合大学の学生を対象に行った大規模な調査結果。6.9%がリストカットなどの自傷行為の経験者。そのうち自殺目的と答えたのは3割弱。残りは自傷の理由として「気分がスーッとするから」「家族や恋人への見せしめのため」などと「死」とは関係ない理由を述べた。

 「見せしめ」!う~~ん、そうくるかあ。よっぽど「自分がする」「結果を引き受ける」という感じが少ないねんなあ。

「『食欲や性欲は人間の自然な本能だ』といまだに思われているが、少なくとも食欲に関してはもはや私たちにとっては『自然』でもなければ『本能』でもなく、ほぼ完全に理性や意志の力でコントロールするものになっている。」

 ほほお。ただしそれはお腹がすかないとか満腹になれないということではなさそうですが。三度三度で食べてしまうとか、腹八部目で何も考えずに手を止めることができない、とかいうことみたいですが。

「『今なにをするか』が大切」という話。

 ある引きこもりの若者。高校生の年齢だった時、頭をしめていたのは「もう遅い」という考え。「これから何かを始めたってまにあわない」
 「何を言ってるの、まだ16歳じゃない。40歳の私から見ればまだ若いよ」というなぐさめは通じない。
 彼は実際の年齢のことを言いたいのではなくて、「何かをしなければならないのに、手につかない」というあせりの気持ちのことを「もう遅い」という言葉で表している。

 で、あれこれあって、彼のようなケースに理解のある通信制高校が見つかり、目の前に取り組むことができてからは「もう遅い」という言葉を口にしなくなった、という話。

 まあ、「あれこれあって」のことですから、通信制高校だけが解決に結びついたわけでもなく、あせらなくてすむようになった原因とも言い切れないでしょうが。ただこの「あせり」は私にも近しいものです。うつでねたきり状態であった時、そういう状態であって常に頭の中はあせっていました。最近は散歩にも行けるようになりましたが、ねたきり状態の時って、散歩なんかがいいとわかっていてちょっと外を歩いていても「こんなことしてる場合じゃない」というような何かあせりが続いていました。で、歩けなくなる。変な理屈ですけどね。

「彼を見ていると、過去や未来も大切かもしれないが、やはりいちばん重要なのは『今なにをするか』ということだな、とつくづく思う。」

 そうですね。ただ「あせり」にとらわれているとほんと何もできなくなってしまうのですが。逆に言うと簡単なことでもいいから「今やること」があるのはいいのだろうな。