「Change the world」第19章より
この作品だけでなく、本編・番外編を含めて最多登場回数を誇る（？）福岡を代表する複合商業施設であるキャナルシティ博多。
名前の由来は施設内を流れる運河（Canal）で、噴水のショーや冬になるとクリスマス・イルミネーションが設置されたりと賑やかなところです。
天神界隈には他にも女子高生の集まるところはありますが、真奈たちがキャナルにばかり行くのは主に「そこで一通りのモノが揃うし、一日遊べるから」なのですね。あと「Change～」でバッサリ削除したウラ設定（真奈や由真、その他の仲間たちのそれぞれの住まいからほぼ等距離にある）のせいでもあります。
こちらは比較的珍しい画像で、キャナルシティを空撮したものです。ここ、サイトのフロアマップをみても今ひとつ構造が分かりにくいのですが、こうやって見ると一目瞭然ですね。キャナルシティは大雑把に分けて6つのビルで構成されていて、一番手前がシアタービル、左側のアーチ状に反った建物がオーパ／福岡ワシントンホテル、左の出っ張ったのがビジネスセンタービル、その右奥がラ・フェスタ、一番向こうがメガストアビル、真ん中の谷間を挟んだ反対側がグランドハイアット福岡という配置です。（下の見取り図参照。文字の色と建物の塗り分けが対応してます）
ただし、シアタービルからメガストアビルまでビルの間がテラスで連結されていますので、特にオーパとラ・フェスタは境界が分からないですね。体感として別の建物だと分かるのは運河の対岸のグランドハイアットと、屋根はありますが渡り廊下でしか繋がってないビジネスセンタービルくらいです。作中でこれらのビル名にまったくと言っていいほど触れていないのはここら辺が理由で、来館者の殆どが（おそらく）ビルが6つあることすら知らないし、案内表示にもビル名が記されてない（少なくとも積極的には）ので誰もその名前を呼ばないからです。
ちなみに画面の右上を流れているのは那珂川です。解像度が低くてちょっと分かりにくいですけど、中洲の南端の清流公園で博多川に分岐しているのも見えますね。右端にちょっとだけ写ってるのが南新地（中洲のソープランド街）。
具体的なテナントに興味がある方は公式サイトへどうぞ。（そこまで手が回らん……）
全体的にメンズ・レディスともにカジュアル系、あるいは所謂”お姉系”と呼ばれるブランドのテナントが多いようにも見えますが、こっそり高級ブランドも幾つか入ってますね。それとスポーツカジュアルのショップも多いようです。
本編については語り手が真奈なのでファッションに触れることは皆無であり、番外編の由真もブリティッシュ・ブランド一筋なので（そんな女子高生いねぇ……）キャナルでお買い物というタイプではなく、いずれもここのテナントを出す機会はないようです。
キャナルで服を買っていそうな語り手は、もし福岡在住であれば志村がそうかもしれませんが、他にはいないですね～。そういえば、村上氏はどこで服を買っているのだろう？（というか、彼はどんな私服を着ているのだろう？スーツ以外を着ているシーンって殆どないな……）
閑話休題。
キャナルの特筆すべき施設としてはシアタービル4Fにある福岡シティ劇場があります。劇団四季の専用劇場は東京・大阪・名古屋に集中していて、それ以外では福岡のここくらいしかないのだそうで。
ミュージカルにはまったく興味がないので見に行ったことはないのですが、実はわたし、キャナルがオープンした頃にダ○キンで働いてまして、工事終了後の清掃のために入ったことがあります。何と言うか、無駄にだだっ広いなーとしか思いませんでしたけど。
ちなみに機材搬入用の専用エレベータというのもあるのですが、これにも乗りました。（笑）
そうそう、もう1つ、キャナルシティの中でも1、2の集客力を誇る（はずの）施設がこちら、「ラーメンスタジアム2」。ラ・フェスタの5階にあります。メガストアビルとの間のほぼ専用と言っていいエスカレータで上がっていかなくてはなりませんので、観光客の方がよく道に迷ってらっしゃいます。（笑）いわゆるフード・テーマパークというやつで略称はラースタ。規模はかなり小さいですけど、コンセプトは新横浜ラーメン博物館と同じですね。”2”になっていたことをたった今知りましたが、公式サイトを見る限りでは何が変わったのか、まったく分かりません。
個人的にあまり良い思い出がない（やたらと待ち時間が長い、「でびっと」のスープがめっちゃぬるかった、ネギ抜きのオーダーが通った試しがない、「ええい、ままよ！」と飛び込みで入った店の味噌ラーメンがまずかった、それでももう一度行こうと思った店が次に行ったらなかった、etc．）ので、わたしはキャナルでラーメンが食べたくなったらシアタービルB1Fにある一蘭で食べます。
貶す場合を除いて実在するものは実名・固有名詞を出す作風のわたしですが、記憶にある限りでキャナル内の店舗などを実名で登場させたことは殆どないのですよね。これには一応理由があって、大手ディベロッパーが絡む商業施設はテナントの入れ替わりが激しくて、作中登場時に果たしてその店があったのかという確認をとるのが 死 ぬ ほ ど め ん ど く さ い からなのです。
（「パートタイム・ラヴァー」でキャナル内デートシーンをやろうと調べてたら「えーっと……あれっ？なんであの店ねえの？」という目に遭いましてね……）
他には上で書いたファッションテナントが出せないとか、フードコートが今ひとつローカル色が強くて使いにくい（ウェンディーズのハンバーガーってどれくらいの全国知名度あるんだろう？）とか、様々な理由で実名が使えてないわけです。
ですから「まあ、これは間違いなくあるだろ」というところ（スターバックスとHMV、無印良品）しか、実名登場はさせてません。右上の見取り図に●を打ってるのがその場所。無印良品は博多シティ劇場の隣です。スターバックス前のスペースは上でも書いたラ・フェスタとビジネスセンタービルの谷間で5階まで吹き抜けになってます。
ちなみにキャナルの無印良品は3階と4階ぶち抜きのかなり大きな店舗で、中にはテラス席まであるカフェが設置してあります。そもそも無印良品って「ノーブランドだけど高品質」ってとこから始まってるはずなんですが、もはや立派なブランドだよな……。
こちらはキャナルのＨＭＶ。実はここ、2階入口から入った通路の両脇がどちらもＨＭＶなのです。クラプトンはおそらく左側のメジャーコーナーだと思うんですが……。どうでもいいですけど、真奈はあまりここでCDを買わないという設定になってます（彼女のフェイバリットはソラリアプラザ3Fにあるタワーレコード）。理由は平行輸入盤の揃いはタワレコのほうが断然良いから。
えー、キャナルの運河といえば夜景というのが定説のようで、また、実際に昼よりも夜の方が趣きがあるのがキャナルなのですよね～。正直な話、昼間のキャナルは子供と家族連れと観光客でごった返す観光地（言い過ぎ）ですが、夜は充分に大人のデートスポットです。 
B1Fのほとりは運河に沿って広々としたオープンスペースになっております。
作中登場が一番多いのは実はこの運河沿いなのですよね。「砕ける月」（真奈と由真のデートシーン）、「パートタイム・ラヴァー」（由真と村上のデート＆由真の運河落下シーン）、「Left Alone」（シュンが真奈に告白して断わられるシーン）が主だったものですが、おそらく他にも何度か登場しているはずです。（← 覚えとけ）
スペースには南側からシーコート、サンプラザステージ（写真左）、スターコート（写真右）という名前がついてます。
サンプラザステージではしょっちゅうイベントをやってまして、以前、わたしが行ったときにはラスティック・パンズというスチールパン・バンドが来てました。他にもHMVに来たミュージシャンがライブをやったり、売り出し中のアイドル（だろう、多分）が歌ってたり、時にはテレビ番組の収録もあるようです。
ちなみにサンプラザステージからシーコートにかけてのほとりでは似顔絵描きの人がいてカップルを描いてたり、屋台みたいな売り場が出てアクセサリとかコスメなんかを売ってたりします。
ただ、そんなところでドッグタグなんぞを売ってるかどうかは……訊かぬが花ってことで。（笑）
さて、最後になりましたが「Change the world」第19章、及び第23章の真奈の語りの中で一番分かりにくいであろうところの解説を。
その商店街側の入口も実はちょっと分かりにくいところにあるけど、誰かしら通っている道なのでそれについていけば何とかなると思ったのだ。最悪、その辺の人に訊けば辿り着けるはずだし、陸橋からだとＨＭＶはキャナルの建物に入ってすぐのところにある。
（中略）
何故、アタシがそんなことを力説するかと言うと、向坂と志村が迷子になったのはキャナルの近所ではなく、西鉄グランドホテルからキャナルまでの間でのことだったと聞かされたからだ。
「ちょっと待ってって。この道、向坂くんたちが泊まっとうホテルの真ん前ば通っとうとやけど。やけん、ホテルからまっすぐ歩いてきて川端商店街のアーケード抜けたら、アタシが教えたキャナル行きの陸橋のところに出るとよ？」
「いや、そうなんだろうけどさ」
「地図は？ 志村が持っとる本には載っとらんかった？」
「いや……一応」
もともとハキハキした男ではなさそうだけど、向坂の歯切れは一段と悪くなっている。
真奈が言ってるのは上の図の通りのことなんですが。
えー、この場面、福岡の土地勘のない方には100パーセント「何のこっちゃ？」なのですが、実は土地勘がある人でも「？」である可能性がありまして。
まず、永一たちが泊まっている西鉄グランドホテルから明治通りをまっすぐ歩くと、那珂川を渡った先に上川端商店街のアーケードがあります。そして、このアーケードを通り抜けると国体道路に出るのですが――この出口から櫛田神社側の脇道を歩いた先に「かろのうろん」があります――、そこからキャナルへ渡る陸橋の入口が何故か雑居ビルの1階で非常に分かりにくいのですね。
（一応、キャナルのロゴが掲げてはありますが……。ちなみに写真奥が上川端のアーケード）
通路の中はこんな感じ。で、右画像のようにキャナルの2階部分に連結しているわけですね。
ちなみに志村が第19章でタバコを吸うために外に出て行くシーンがありますが、見て頂くとお分かりの通り、この通路はどう考えても禁煙です。
まあ、吸う場所を求めて彷徨ってたから2人が外に出たとき、その場にいなかったんだってことで。（笑）
（第2回、西中洲～中洲編に続く）
追記。
そういえば「砕ける月」の真奈・由真のデートシーンで、コムサストアのスイーツミュージアムを実名登場させてましたっけ。えーっと、メガストアビルの2階にあります。