『Double Imagination』(安部恭弘/1984年 東芝EMI) | 『Go ahead,Make my day ! 』

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【オリジナルのハードボイルド小説(?)と創作に関する無駄口。ときどき音楽についても】

Paul Newmanえー、過日、俳優のポール・ニューマン氏がお亡くなりになられたそうですね。

氏の出演映画については映画館よりもテレビ放送のものを多く見ているわけですが、その中で記憶に残っている作品と言えば何といっても「評決」(1982年)です。
これは医療過誤訴訟を扱った作品なのですが、最初はありふれた示談金交渉と高を括っていた落ちぶれ弁護士のギャルヴィン(ニューマン)が、出産のために病院に行っただけで全てを奪われた平凡な主婦の姿に、忘れかけていた弁護士の誇りを取り戻していく姿を描いています。
多額の賠償金を勝手に蹴ったことで遺族になじられ、病院側が雇った辣腕弁護士の妨害工作でどんどん不利な状況に追い込まれたりもするのですが、たった一つの切り札を武器に迎えた最終弁論で、ギャルヴィンが陪審員たちに向かって正義を訴えるシーンが特に心に残っています。
 
他にも「タワーリング・インフェルノ」や「ハスラー」(何故か「2」は見てない……)などの名作がありますが、いずれにしても我々世代には馴染みの深い名優だっただけに、なんとも言えない残念な感じが拭えません。
心より、ご冥福をお祈りしたいと思います。
 
で、それと今回取り上げる曲に何の関係があるのかといいますと、
 
DOUBLE IMAGINATIONこちらのジャケットの通り、氏がイメージキャラクターを勤めた6代目R30型スカイラインのCMソングがこの「Double Imagination」なのですね。実際のところ、ポール・ニューマンという名前を憶えたのは映画よりもこのCMが先だったような気すらします。
 
歌詞についてはYouTubeを見ていただくとして。(笑)
 
この曲は安部氏にしては珍しく、お得意のボサノヴァ調ではありませんが、透明感のある声質に合った氏の代表曲(※)だと思います。
まあ、イントロからいかにも80年代AORな雰囲気が炸裂しておりますが、この頃ってこういう感じの曲が多かったですよね~。同時代は男性は大瀧詠一、稲垣潤一、杉真理、女性は荒井(現・松任谷)由美、EPO、大貫妙子、グループだとハイ・ファイ・セットって辺りになるんでしょうか。

ちなみにこの「Double Imagination」、実は3回にわたって拙作のタイトルに引用しようとして3回とも落選している可哀そうな曲なのですよね。ちなみに1回目が「Left Alone」、2回目が「Part-time Lover」、3回目が「La vie en rose」ですが、いずれも

「うーん、この曲、あんまりメジャーじゃないからなぁ」

という理由なのがちょっと哀れ……。いい曲なんだけどなぁ。

(※ 安部氏の他の曲には「アイリーン」とか「テネシーワルツ」、「SHO-NEN」などがありますが、この人の曲で一番有名なのは稲垣潤一に提供した「ロング・バージョン」でして、これは典型的なボサノヴァですね。つーか、最大のヒットが提供曲って……)
  

 
ついでに「ロング・バージョン」も貼っときます。